闇と光 第18話 黒服さん登場
さてやって参りました。北門エリア!!
清水の舞台から飛び降りる思いでこの地までやってきました。一生あそこでも暮らせそうだったな・・・。
はい。まず紳士服屋さんです。
かっこよくなったかな?スーツを購入しました。美貴がスーツフェチだと嬉しい。目的はそこじゃないだけどな。
次にきたのはここです!
カジノです。部屋改装のための資金調達と装備品ゲットのためです。昔からカジノにはぶっ壊れ装備とかあるじゃん。それを手に入れる。さてなにから手を出しますかね。
一喜一憂している人達の姿が見える。酒を飲みながら女をはべらせている富裕層達。中にはこの場に似合わない者たちもいる。後がない者達なのだろう。
三禁というがオレは酒も女も大好きだし、手に入れることができるものはすべて欲しい。だって、酒池肉林とか最高じゃないですか。男のロマンですよね?そうですよね?
一周回ってみる。様々なゲームが存在するが、やっぱりあれかなぁ。00なしのもあるし。さらに青天式・・・。ベット額に制限がない。経営主はがめつい野郎のようだ。
そう。ルーレットで行くよ。ヨーロピアンルーレットだ。ストレートアップベットのみで勝ちに行く。
まずは1枚ずつ36ヶ所にチップを賭けて乱打の習熟度上げしておきましょうかね。それと効果の検証も含めて。
ディーラーの様子を観察することを忘れずに。というかディーラーのお姉さんも凛々しくて可愛い。匂いもなかなか。
ふははは。チップもそれなりに増えてきたぜ。増えてきたところで勝負を仕掛けますかね。スキルうんぬんの前に、ディーラーの入れ方、角度、ボールの重量、ボールの速度、摩擦力、盤の微妙な歪み等を瞬時に計算すれば入る場所がわかることに気づいた。検証と同時に入った場所の答え合わせもしておいた。
ということで・・・ディーラーがボールを投げ入れたところでオールベット仕掛けましょう。そろそろ戦いをはじめますよお姉さん。ちなみに現在チップは1500万円くらいあるよ。サマを仕掛けてくるようなら、サマで返せるように風魔法とでも言えばいいのかな?マナの風だから、マナ風?なんか違う気がする。
風をいつでも起こせるように待機しておこう。バレた時?向こうもやっているんだから戦争すればいいでしょう。こっちは死に戻りできるからね。地の果てまで追いかけて殲滅する。死刑?望むところだ。だけどこの命簡単にくれてやるつもりはない。
「オールベット28」
周りがざわざわし出したな。ディーラーのお姉さんの面を食らったような顔も可愛い。
おおおおおおおおお!!
騒ぐな。うるせえなお前ら。
1500万円×36倍は?5.4億円ありがとうございます。宝くじ当たりました。どうもです。
紳士的な笑顔でディーラーに微笑みかける。ちょっと真剣な眼差しになりましたねお姉さん。ちょっと目で挑発してやろう。存分に愛し合いましょう。これはあなたとオレの命のやり取りですよ。と目で語りかける。
[まだ続けますよ。ディーラーさん]
さらに念話で続行の意思は示しておく。伝わっているかは知らないがな。まぁ・・・次のゲームはベットしないよ。ふふ。
賭けなかったオレを見て、いろいろ考えているようだな。入った場所は0。おそらくこれは狙ってボールを放ったやつだ。なかなかいい腕してるねお姉さん。あぁ・・・手の見た目も綺麗だな。
お姉さん安心してください。ここで終わるつもりはありませんよ。どちらが命を狩る側なのか。狩られる側なのか教えてあげるよ。お姉さん・・・あなたは命が惜しい人なのかい?はたまた命が惜しくない人なのかい?どっちなんだろうね。あはははっ!
思考放棄するものなのか?最後まで思考を続けるものなのか?あなたはどっちなんだっ!?
自分の命がかかっている時ほど、人は輝く。今のお姉さんはとても綺麗で妖艶だ。今すぐにでもベッドに押し倒して食べてしまいたい。あなたのすべてをを堪能したい。さぁもっとあなたの生の輝きを見せてくれ。輝けば輝くほど、消え失せた時の快感は上がる。あぁ・・・オレのマナちゃんは既に暴走モードに入っているぞ。残念ながらお姉さんには見えない位置にある。別に見られてもいいんだけどな。オレのこの興奮をお姉さんに伝えられないのが残念だ。
ここは・・・あえて先に宣言しておこう。
「ディーラーのお姉さん。次オールベットするからね」
微笑みながら言ってやった。
くくくっ・・・いいねぇ。顔には出していないが・・・その目。素晴らしい。お姉さんはこれに負けたらよくてクビ。上の怒りを買ってしまえば消されるんでしょ?でも盤面的にはどう考えてもお姉さん有利ですよ。ただお姉さんならわかるよね?さっきのは偶然じゃないってことを。いい腕してるもんね。レディーファーストなのであなたの有利な状況でいいですよ。
読み合いだけの予想では0。続けて入るのは普通ありえないよね?そうだよね?あなたも同じことを考えているのかな?今あなたとオレは濃密に愛し合っているぞ。命と命が触れ合っている。
この至福の時間が終わるのは惜しいが・・・。さぁボールを投げろっ。君の命の輝きを見せてくれ!予想が外れても後出しの権利がオレにはある。・・・あはははっ!困ったねぇ。お姉さん。あなたにはどうあっても勝ち目はない。さぁあなたにとって人生最後の一投を・・・さぁさぁ!!!
投げちゃったね。もう君にはどうすることもできない。ここからはオレのターンなのだよ。そんな祈るような目で見ないでくれ。痛いくらいに暴走してしまう。迸る快楽のままお姉さんをぐちゃぐちゃに貪り尽くしたくなってしまうぞ。名残惜しいが・・・そろそろお姉さんの命を奪わさせてもらおう。
「オールベット0」
いつのまにか周囲の客は増えていた。
お姉さんの顔が今にも泣きだしそうに。可愛いよ・・・お姉さん。だけどダメだよ。プロたるもの表情に出してしまっては。この様子だと・・・サマはないと思われるが、一応用意はしておく。
うおおおおおーーー!!
周りが先程よりも騒がしい。
・・・ごちそうさまでした。
もう勝負付けは済んでいる。さてまだまだいじめるけどお姉さんは大丈夫かな?お姉さんの表情を見ているともっといじめたくなる。お姉さんが可愛すぎるのが悪いんだぞ。お姉さんの目を見つめながらオレは微笑みながら言った。
「次もオールベットしますよお姉さん」
おや・・・涙目になっている。オレの胸で泣いてもいいんだよお姉さん。場所を変えて今度は体と体で愛し合うのも大歓迎だ。さぁ!!もっともっと凛々しいあなたが堕ちていく様を大衆の前に晒してください。
そんな中オレに1つの声がかけられた。
「お客様失礼します。あちらの方がお客様と話したいと」
話しかけてきたのは初老の執事っぽい男。気配は消しているようだけど、この人はなかなか強そう。そもそも自分がどの程度戦えるかわからないけどね。だって戦ってないもの。これは個室に連れて行かれるやつかな。やりすぎたようだな。これがよくいる黒服さんというやつかな?でもお姉さんの妖艶な命の輝きを堪能できたので後悔はしていない。
周囲の様子から察するにあれがカジノのドンかな。風格もあるしな。マフィアくさい強面の顔をしている。おや?ドンは微笑んでいる。なるほど。あなたはやりあうつもりはないと。ただ周りが少々物騒だな。
「後ろで待機している2匹の虫をどかしてくれたら考えてもいいが?」
初老の男とドンが一瞬目を合わせていたな。やはりあれがこいつの主で確定のようだ。
「かしこまりました。ではご案内致します」
「ああ、丁重なおもてなしを期待するよ」
ドンを先頭に、初老の男の後ろをついていく。取り巻きは8人、全員護衛なのかな??周囲から殺気を感じる。こういった殺気を向けられるのは久しぶりだな。