闇と光 第26話 装備品ゲットだぜ

さぁついにやって参りました。立派な建物ですね。

 


そこは巨大な建物であった。数多くの煙突があり、煙がでている。また様々な音が混じっていた。生産のための工房地帯の集合体といったところか。扉はなんと自動ドアであった。

 


扉を抜けると受付のようなカウンターがあった。綺麗めのお姉さんが座っている。僕もあなたの椅子になりたい。

 


「たのも〜〜!!ムカつく野郎の紹介で来ました。ハイロリです」

 


「ハイロリ様・・・。それではわからないですよ・・・まったく。私が代わりに説明します。アデルソン様からのご紹介で参りました。こちらがハイロリ様です」

 


アリスはジト目でちらっとオレを見た。なんだその目は!!可愛いじゃないか。まったく魔性の女だぜ・・・。アデルソンなんてムカつく野郎で通じるだろうに。アリスに様付けされるなんておこがましい。

 


「少々お待ちください。・・・ハイロリ様ですね。お話は伺っております。ご案内致します。しかしアデルソン様からの好待遇とは珍しいですね。旧知の仲でいらしたんですか?」

 


「あんなやつと旧知の仲とは心外だ「ハイロリ様〜〜?いえ、今日知り合ったばかりです。ハイロリ様は短時間でアデルソン様とこのように言い合えるくらい仲良くなりました」仲良くなんてなってない!!」

 


「はいはい・・・。仲良くなんてないですよね。と、この調子です」

 


「それはまた凄いですね。アデルソン様にもそんな一面があるのですね」

 


受付のお姉さんは笑っていた。この調子で雑談しながら、3人は歩いていた。ふざけた時にアリスの変化する豊かな表情が可愛すぎて、オレはふざけるのをやめられなかった。すまないアリス。オレはこうゆうご主人だ。諦めてくれ。

 


「こちらです。ハイロリ様をご案内致しました」

 


部屋に入ると1人の男が座っていた。なかなかにダンディーでムキムキなおっさんだった。

ザ職人という感じがするので、元職人もしくは仕事の手を止めてまで待っていてくれた。そんなところであろう。

 


「お前がハイロリか。話は聞いている。オレはヴェルンド。工房長をしている。で、なにが欲しいんだ?」

 


手短で実にいい。おっさんと長い会話をするつもりがないからな。聞けば、今すぐ渡せるものと作らないと渡せないものがあるとのこと。とりあえず欲しいものは伝えた。ついでだからアリスにも欲しいのがあれば、渡したいなと思ったので聞いてみた。どうせアデルソンの金だ。遠慮するなアリスよ。

 


「まぁオレはとりあえずこんなものかな。アリスはなにか欲しい武具とかある?なんでも頼んでいいよ」

 


「私ごときに武具など滅相も御座いません。お側に置いて頂けるだけで充分で御座います」

 


「はい。口調もっと砕けた感じでいいんだからね。オレの大切なアリスだ。アリスに傷がついてはオレは悲しんでしまうからな。好きなのをいくらでもいいよ」

 


うん。経費と意地でも言い張るからいいんだよアリス。まぁオレの金でもいくらでも出す。大切なアリスに傷がつくのは許せない。防げるのなら防いであげたい。嫁入り前の女の子だし。アリスは嫁にはやらんぞ。おとといきやがれ!とだけは言っておく。

 


「ありがとうございます。ではレイピアと片手盾、軽鎧をお願いします。私がハイロリ様の剣となり盾となります」

 


「そこまではしなくていいぞ?無茶はしないでくれ。・・・それとオレと同じマントをアリスにも頼みたい」

 


気を遣われそうなのでひっそりヴェルンドに伝えておいた。アリスは言っても聞かないことは知っているので無茶をしないでとお願いだけはしておく。

 


「はい。努力します。でもカジノのスタッフは全員戦闘訓練もしてるのでそれなりに戦えるので大丈夫ですよ」

 


アリスの笑顔が可愛すぎて固まってしまった。いや無理でしょ。アリスのスペック高すぎて・・・。戦闘もできるのか・・・。アリスには負けないようにしないと。守るのはオレの役目でありたい。

 


「お前ら仲良いな。嬢ちゃんの分も用意しておく。素材は最高のモノでいいだろ?金ならいくらでもでんだろ?あるものはすぐ持ってくるから待ってろ」

 


いやぁそれほどでも。でしょう?仲良くなったんですよアリスとは。ヴェルンドとはいい関係を気づけそうだ。わかってる。そしてこいつは採寸しなくても一目でサイズがわかるそうだ。凄腕だな。ぜひとも弟子入りしたい。とりあえずアリスのスリーサイズを教えてくれ・・・おほんっ!!当然アデルソンからいくらでも金はでる。金の成るパパだからね。

 


「アリス。この後服屋に行きたいんだけどいいかな?オレの私服とアリスの私服も買いたいし。可愛いアリスには可愛い服が似合うからね」

 


「そ、そんな・・・。ありがとうございます。優しいですね慶太様は。大丈夫ですが夕食はどうしますか?私が作りましょうか?作るなら材料買いに行って先に夕食の準備をしますが」

 


「気にすんな。アリスが特別なだけだ。そんなに優しくはないぞオレは。手料理は食べたい・・・。でもアリスの服も欲しいし、今日はアリスと知り合った日だからな。どこかで外食しよう」

 


「ありがとうございます。では明日から私が作りますね。とりあえず服屋さんに行ったら買い出ししてもいいですか?朝食から作りたいですし」

 


「構わないよ。じゃあそうしよう。アリスの料理美味しそうだね」

 


明日からアリスの手料理ゲットだぜ。気分は新婚さんだ。いや美貴さん違うんだ。まだ未遂だ。オレは結婚していない。アリスといろんな話をしながら待っていると、ヴェルンドが現れた。

 


「待たせたな。ってお前らお似合いだな。とりあえず用意できたのは、嬢ちゃんのレイピア、片手盾、軽鎧。お前のは短剣2本と剣だな。特殊な物が多くてな。在庫がない。作るからもう少し時間をくれ。素材は用意できる中で1番いいのを使ってる。お前の要望通りオーソドックスなタイプにしておいた。使って変更したい部分があるなら、言ってくれれば相談にのるからな。武具はマイルームまで転送できるが、どうする?」

 


それだけか。まぁいいだろう。マイルームに転送できるとかいい機能だな。インベには回復アイテムなど小さな物しかいれれないらしい。ということはだ。武器転送スキルとかアイテムボックス系のスキルとれそうだよなー。役割サポーターとかそれに当たりそう。ドロップ品とかあった場合、持てないからな。だがオレもとれる可能性はあるわけだ。まぁおいおい考えるとしよう。

 


「じゃあとりあえず転送してくれ。アリスも使ってみて遠慮なく言うんだぞ。じゃあまたくるよ。ありがとうヴェルンド」

 


そう言うと、オレ達は服屋に向かった。

 


ハイロリは短剣と剣を手に入れた。

 


アリスはレイピア、片手盾、軽鎧を手に入れた。