闇と光 第35話 次なる道場へ

「アリスっ!たっだいまぁ!」

 


看板を抱えて意気揚々と我が愛の巣へ帰ってきた。

 


「お帰りなさいませ。ご主人様。・・・ってその看板どうしたんですか?」

 


「くれたからもらってきた。アリスこそ、その格好は・・・」

 


アリスは神々しかった。伝説のエプロン姿をして待っていてくれたのだ。昨日そういえば憧れてると話したな。どんだけ従順なのだアリスよ。

 


「もらってきたって・・・。ご主人様のことなのでまぁそれはいいです。ご主人様がお好きだと言っていたのでやってみました。似合いますか?ってそんなとこくんくんしては恥ずかしいです」

 


「とても似合ってるよ。無防備な後ろ姿がオレにくんくんしろと言っている。恥ずかしいけど嫌じゃないんでしょ?」

 


「はい・・・もっとしてください。あ・・・やり直していいですか?」

 


「ん?よくわからないけどいいぞ」

 


「お帰りなさいませ。ご主人様。お風呂にしますか?夕食を先に済ませますか?それとも私になさいますか?」

 


アリス。オレテストを受けたら満点とりそうだな。もちろん決まっている。そうオレ達はすりくんタイムネオに突入した。

 


その後、たっぷり作ってくれたアリスのご飯を食べた。いっぱい食べているオレを見てアリスはニコニコしていた。食後は2人でお風呂へゆっくり入り現在はソファーでお酒を飲んでいる。

 


アリスは甘えてきた。ソファーの上に座るオレの上にアリスが座っている。なぜかお酒を飲むときはお互い口移しで飲んでいる。アリスが彼女に進化したことでアグレッシブになったことを嬉しく思う。美貴への対策が早急に望まれる状況だ。どうしよう・・・。でもこの可愛いアリスには抗えない。

 


さすがにアリスの健康に触るといけないのですりくんタイムネオはほどほどの所で切り上げ、すりくんタイムをしながら2人は寝た。

 


アリスとしては毎日愛されたいそうだ。頑張ります。毎日でもオレはいけるっす。またもやベッドを汚してしまったのは言うまでもない。ちなみに今日はミニスカポリスになってもらった。

 


目が覚めるとアリスが布団の中でもぞもぞしていた。そのままネオへ突確した。この可愛い生物が愛おしくてたまらない。

 


今日もハイロリ鑑定場で稼ぎ、アリスと昼食を済ませ、すりくんタイムネオを挟んでから道場へ向かうことになった。もちろん道に迷ったのはいうまでもない。それによってアリスがヤキモチを妬いて覚醒したのが原因だ。彼女の祖先はサキュバスなのかもしれない。

 


アリスはフーカお姉ちゃんという知り合いのツテでなんとあの大英雄リヒテル様の元で鍛錬していると言っていた。まずフーカお姉ちゃん。いずれ深い関係になりそうな予感がする。そしてたとえ大英雄が相手だろうとアリスはやらんぞ。オレの女だ。いつか決闘しましょう。リヒテル様。

 


街を住人のお姉さん達の匂いを堪能しながら歩いている。ついでに次の道場を探している。そんな状況だ。静かな道場を見つけた。だがそこはお姉さんの匂いがするのだ。オレは迷わずその道場に決めた。

 


「ごめんください」

 


静かに道場の戸を叩いた。ん?当たり前だろう。お姉さんの道場だぞ?どんな稽古が待っているかわからないからな。紳士的に行かなくては!

 


「あ、弟子入り希望の方ですか?」

 


綺麗な黒髪の大和撫子。妖艶な袴姿のお姉さんに声をかけられた。お姉さん一緒に夜の稽古をしましょう。もちろんお姉さんはオレの大好きな貧乳だ。

 


「はい。戦いに関してはまだ疎いものでしてお姉さんの熱烈な指導を2人きりで受けたくてここまで来ました」

 


「すみません。じつは・・・」

 


このお姉さんの名前はアヤネ。亡くなった父から道場を受け継いでいる。門下生はなんとなし。道場主が女ということで誰もきてくれなくなってしまったと言っていた。オレが支えてやろう。元々彼女1人しか愛せなかったが、アリスに影響され今は何人でも未来の妻を増やしたくなってしまった。男の夢だよね。アヤネちゃんも欲しいな。

 


話が逸れてしまったようだ。弟と現在暮らしているらしい。しかしその弟が現在病気で寝込んでいる。難病の類らしい。看病をしながら働いているそうだ。それで道場は今やっていない。アヤネちゃんは高価な万病薬を買うために夜の街で働いている。泣かせる話じゃないか。まったく・・・。やはり愛人として囲わなければいけないな。

 


その薬は第1エリアの外の山の頂上付近に生えている薬草を使うのだが、山の主の寝床が近くにありなかなか採取することができない。そのため高価なのだそうだ。山の主はエリアの獣を殺したものには鬼のように敵意を持つということだった。また一攫千金を夢見て命を落とすものも少なくないらしい。

 


しかし獣を既に殺めており、辿り着けないため自分では取りに行くこともできない。数十年に1度採れるぐらいの激レア薬草なので稼いでも稼いでもお金が足りないらしい。

 


薬草を持ってくる

アヤネちゃんがオレに惚れる

アヤネちゃんが恋人になる

 


脳裏に図解が浮かんでしまった。男なら困っている綺麗なお姉さんはほっとけないよね!違うよ?善意でやっているだけだからね。

 


「アヤネさん。オレが薬草を採ってきましょう。幸いまだオレは獣を殺めていないので大丈夫です」

 


「そ、そんな・・・。危険な場所ですよ?見ず知らずの方にお願いするわけにはいきません」

 


「アヤネさんのような可憐な乙女が困っているのは見捨てることはできない。このオレに任せてください。必ずやアヤネさんを救ってみせます」

 


「あ、ありがとうございます・・・」

 


アヤネちゃんは泣いていた。オレは彼女を強く抱きしめた。やはり女の子は胸の中で泣かせてあげないとね。アヤネちゃんの頭をしばらく撫でた。泣き止むのを待ってからオレは薬草採取へ向かうことにした。

 


いざ・・・参らん。未来の恋人のために!!