闇と光 第39話 今後のために

やぁ。おはよう。心地よい朝だ。アリスの頭の匂いがオレの嗅覚を刺激する。目を開けると、アリスの可愛い寝顔だ。昨日はアリスが気絶してしまったため早めに寝たのだ。深夜にアリスがいつのまにか上に乗っていて第2次ネオが起きたのはここだけの秘密だぞ。今日はオレの方が先に起きたみたいだ。

 


ということでアリスにもイタズラをしました。寝言のような声が聞こえるが寝ているんでしょう。音と声だけ鳴り響く。アリスは突然起き上がり立ち位置が逆になってしまった。

 


「おはようございますご主人様。最高の目覚めですね。我慢できなくなったので寝たふりをやめました」

 


アリスよ。話す時は動くのをやめなさい。ああやっぱり起きてたのね。今日はタオルのおかげですぐにアリスの家事が終わりオレ達は出かける準備をした。アリスの格好は露出少なめである。オレ以外に見られたくないからな。オレだけのアリスだ。渡さんぞ。

 


外に出るとアリスは腕にこれでもかというくらい密着してきた。アリスの頭はオレの首あたりにある。歩きにくいと思いきや、普通に歩けた。アリスよ。どういうカラクリなのだ。

 


「ラルカスさんはいるか?」

 


着いたので熟女さんに尋ねる。アリスは未だくっついている。人前でも遠慮しないその姿勢。さすがだなアリス。ちなみに人前だったらオレはどっちでもいい。彼女のしたいようにすればよい。あとは受け止める。それだけだ。

 


「やぁ。ハイロリ君おまたせ。おや、アリスも一緒か。うんうん。なるほど。となると結婚の報告にでもきたのかい?」

 


ラルカスさんは笑いながら言った。いやまぁ彼女にはなったんだけど、オレはわざわざそんなこと報告しない派だ。

 


「ご無沙汰しておりますラルカス様。この度ご主人様の彼女になりました」

 


「違う。いや・・・それは間違ってないんだが尋ねたいことがあってきた」

 


「アリスにとっての初彼氏君がハイロリ君だなんて。この組み合わせは予想できなかったなぁ。つい最近ハイロリ君と知り合ったばかりなんだけどね。あはは。んじゃ奥で話そうか。ハイロリ君とアリスならゆっくり話したいしね」

 


お、このソファーはなかなか座り心地がいいな。さすがラルカスさん。金持ちは違うぜ。アデルソン?あれは犯罪者だ。顔が特に。

 


「で聞きたいことはなんだい?」

 


「これを見てくれ。実はな・・・」

 


オレは大量に薬草を持っていることを伝え、それを栽培する方法、販売ルートなどを尋ねた。

 


「いやぁ・・・。やはり僕の目は間違っていなかったようだ。いい意味で裏切られたけれどもね。栽培は手間がかかるけど可能だよ。それなりの設備は必要だね。販売ルートはそうだなぁ・・・個人に売るよりはオークション形式にした方がいいかなぁ。ただ流通量を制限しないと価値も落ち着いてきちゃうだろうねぇ」

 


「ラルカスさん。これだけある。栽培から販売までを任せたい。こっちには売り上げの1割のリターンでどうだ?」

 


「へぇ。君としては1割でいいのかい?」

 


「ああ1割で構わない。ただし大きな建物を建てたい。その費用、さらに維持、増築費が欲しい。さらにアリスへの資金面の提供をお願いしたい」

 


「なるほどね。それならいいよ。アリスは娘のようなものだからね。建物はどんなのがいいんだい?僕としてはそれでも利益の方が大きいから問題ないよ。ただたまに鑑定だけはしに来て欲しいかな」

 


「なら問題ないな。鑑定はマナの訓練のために来る予定だ。建物は大きな道場施設を建てたい。流派ごとに違う道場になっているみたいでな。それを統合させる。その方がオレの鍛錬が捗るからな」

 


「それなら決まりだね。鑑定料は今まで通り払うからお願いするよ。道場の統合か〜〜。暗部が動きそうだけど・・・。まぁおもしろそうだからいいよ」

 


暗部が関わってくるのか。いつかリヒテル様と戦いたいと思ってたからそれは願ったり叶ったりだな。しかし試しにラルカスさんのステを見ようとしたが見れなかった。こいつも強いのか。

 


「おもしろそうついでに強くなったらラルカスさんとも手合わせをお願いしたいものだな」

 


「あはは。いいよ。いつでも歓迎するよ」

 


「あ、そうだ。1本だけ薬草をもらっていくがいいか?ぼったくりたいやつがいるから」

 


とりあえず話はまとまったな。しかしアリスよ。話してる時ぐらいは離れなさい。雰囲気が台無しじゃないか。こうしてオレ達は次の目的地に向かった。アリスがいつものルートでとせがむのでいつもの散歩ルートを行くことにした。

 


「あら、お兄さん。今日は女連れかい?私も混ぜておくれよ」

 


アリスに隠し事はないのでいつものように対応する。両手に花とはこうゆうことなのだな。

 


「ご主人様私にもしてください」

 


アリス。そんな風に育てた覚えはないぞ。おねだりされたら喜んでする。散歩途中でアリスが我慢できなくなったため、一室に入りネオに突入した。

 


さてアリスも何をやっていたか納得してくれたようなので次にいこう。その前に食事を済ませてから。

 


着きました。裏口の前に。オレは勢いよく蹴り破る。

 


「ほら、遊びにきてやったぞ!」

 


「ご主人様・・・。普通に開けてください」

 


警備の者に囲まれる。上等だやってやろうじゃないか!オレは剣に手をかける。

 


「はぁ・・・。アデルソン様にハイロリ様がきたとお伝えください・・・」

 


その一言でなんと警備のやつらの態度が変わった。次からは普通に開けてくれとお願いされた。わかった。普通に蹴破るよ!

 


アデルソンの部屋の前に着いた。勢いよく戸を蹴る。さすがに頑丈なようで壊れはしなかった。ちっ・・・。

 


「よぉ悪人。遊びに来てやったぞ」

 


「ハイロリよ。もう少し普通に入ってきてくれ・・・。ん?アリスとは結局そうなったか。アリス、お前は幸せか?」

 


「はい。ご主人様は優しく、そして愛していただけてるのでとても幸せです」

 


「ならばよい。でただ遊びにきたわけではあるまい。ハイロリよ」

 


「バカはバカでもただのバカではなかったか。取引しようじゃないか」

 


「ひと言余計なんだお前は。で何を取引するのだ?そもそもお前に取引材料があると思えんが」

 


お前やっぱりいつかボコボコにするからな。

 


とりあえずアリス。離れなさい。いや個人的には離れなくてもいいんだけどさ。