闇と光 第43話 再会

だんだん光が近づいてくる。オレの好きな匂いがする。これは忘れもしない匂い。異世界に旅立ってしまったハイロリさんの匂い。なぜあなたの匂いが。オレはあなたがタイプだ。他の3人もタイプだが、オレの1番のタイプはあなただ。あなたが欲しい。

 


景色が見える。ハイロリさんがいる。だんだん近づいていく。しかし寝ているようだ。もっとそばに行きたい。今すぐ好きだと伝えて抱きしめたい。ひとつになりたい。

 


だがそれ以上は近づいてはくれなかった。なぜだ・・・ん?よく見るとハイロリさんは獣達に囲まれている。襲わせない。ハイロリさんを襲っていいのはオレだけだ。アリスの真似をする。マナで風の刃を作り阻止する。

 


獣達の首をマナですべて刈り取った。辺りが血の海になってきている。だがしかしハイロリさんを汚していいのはオレだけだ。ハイロリさんの横たわっている地面をマナで隆起させる。これでひとまず安心だ。

 


待ってくれ。もう少し彼女を見させてくれ。視界がだんだん暗くなっていく。いや・・・まずい!オレは慌てて匂い、姿などを遮断する薄いマナの膜を展開させる。血につられてまた獣達がやってくる可能性があるからな。

 


完全に暗くなった。とりあえず間に合ってよかった。また1人か。なにか声が聞こえる。

 


「やっと聞こえたようですね。あなたを呼ぶ者がいますね。時間がないようだ。次はもっと深くまできてください。待っていますよ」

 


誰の声なのだろうか?・・・また暖かい。いい匂いがする。右側からアヤネの匂い、そして肌の感触が。左側からはアリスだ。上は誰だ?匂いは美貴?だが服ごしの感触しかオレは知らない。気持ちいい。ネオの感触がする。だが肝心の相手がわからない。匂いは美貴をもっといい匂いにした感じだ。声の主なのか・・・?違うだろうな。いや美貴なのだろう。

 


この感触、匂い。オレは大好きだ。

 


「美貴、アリス、アヤネ愛してる。死ぬまで・・・死んでからも未来永劫オレと一緒にいてくれ」

 


「「「はい。喜んで」」」

 


ん?なにが起きている。右と左にいるのはアヤネとアリス。しっかりと抱きついている。オレの指がなぜか彼女らとネオしている。この感触は間違えようがない。上にいるのは美貴だ。やはりこの匂い忘れもしない。となると今ネオしているのは美貴か?・・・何があった。

 


とりあえず体を動かしてみよう。3人とも可愛いな。目を開けてみよう。

 


やはり正解だったようだ。体を動かすのをやめる。3人とも泣いているようだ。美貴が起き上がる。うーむ・・・美貴はAAで小さめのトライアングルか。素晴らしい・・・。

 


よかったと彼女達が言っている。オレも泣いていたようだ。でもまず言うことがある。

 


「美貴愛してる。オレの女になってずっとそばにいて欲しい」

 


「私なんかでいいの?ほら見て。こんな子嫌でしょ・・・」

 


美貴は腕を見せる。よく見ると足もか。自傷行為の跡だった。

 


「嫌じゃないよ。今はしてない?」

 


「今はしてないよ・・・」

 


「ならいいんじゃないか?今もしてるって言ったら自分のこと同じように傷つけようとしたけど。それは美貴が生きてきた証でしょ?それだけ深く生きてきたってことだよ。自信を持っていい。嫌どころかオレには魅力的に見える。オレの前では隠さないでいい。むしろ誇っていい。少なくともオレは今のありのままの美貴が大好きだ。

 


ってそこの2人今それをしたらオレは2人を嫌いになるぞ?話が逸れてしまったがミキ返事は?」

 


「・・・ありがとう。私でよければずっとそばにいるよ。私も慶太が好き・・・」

 


「聞きたいことはいろいろある。けど3人にお願いがある。オレは自分の女に囲まれて我慢できない」

 


我慢できなくなったので3人とネオに突入した。アリス大先生が2人を指導していたが見なかったことにする。自然なままでいいのに。

 


今はお風呂にいる。アリスとアヤネに腕枕され、美貴はオレの上に寝そべっている。そろそろ現状把握に努めよう。

 


「でなにがどうなってこうなってるんだ?オレとしては3人がそばにいてくれるだけでいいんだけど」

 


「「「嘘よ(です)」」」

 


え・・・?ワタシ嘘言ってませんけど・・・。

 


「慶太、ハイロリさんって私達の名前より先に寝言言ってたわよ」

 


「美貴に聞いたから知ってますよ」

 


「4人でしょ?ハイロリ様」

 


修羅場チックな雰囲気ですね。

 


「・・・悪かった。もう1人いてくれたら嬉しいって思います」

 


普通に謝る。これは尻に敷かれるやつだ。好きな人からなら構わないけど。

 


とりあえず道場で2人を止めた後、オレは倒れた。マナが枯渇状態になり昏睡していた。マナを回復させるには肌と肌を触れさせ共鳴させるのがよく、体内に近いほど効果的らしい。なるほど・・・だからネオしてたのか。

 


アリスとアヤネもオレのマナと共鳴したことでマナの総量が上がっていると言っていた。美貴も現実に戻った時体が軽かったと言っていた。どうやらオレのマナ量は多いらしい。なにかの器が大きいとは知ってたけどマナ量が多いからだったんだと勝手に納得する。

 


お風呂を上がり何を食べたいと言われたので鍋が食べたいと言った。1人が寂しかったんです。伝説のエプロン姿になるアリスを見て残りの2人もその姿になった。アリス大先生の指導のもと一緒に料理する姿は微笑ましい。アリスがハイスペック超人すぎる。いつかフーカお姉様にお礼を言おう。

 


とりあえずアヤネの分のドレッサーを用意した。まだ部屋のスペースは有り余っている。なにを置くか考えないといけんな。まだ容量3割だし。アヤネがマイルームに登録されていた。アリスがしてくれたのだろう。ということはアリス大先生が合格を出したらしい。某海外の大学よりも倍率が高そうな難関だな・・・。

 


部屋に戻ると3人の後ろまで行き、ひたすらくんくんローラーをしていた。もちろん邪魔にならないようにハイロリ闘気全開で素早くローテーションする。枯渇状態になる前よりマナの量が多くなっていた。

 


僕も戦闘民族の仲間入りができたみたいだ。アヤネにヨシツネのことを聞いてみた。そしたら家が壊れたのでしばらくお友達の家に厄介になるそうだ。1人暮らしの女の子の家と言っていた。やるな、ヨシツネ。盗らないから今度紹介しろよ。

 


そうこうしているうちに鍋ができたのでこたつに入る。ん?なにやら硬いものが。あ、忘れてた。卵こたつであっためていたんだった。4人で仲良くマナを注ぎ込みながら鍋とお酒の時間である。アヤネと外で酒を飲まない方がいいとヨシツネが言っていたがなるほどこうゆうことか。アヤネは酔うと脱ぎ癖があるようだ。そして甘えてくる。可愛いなと言ったら美貴とアリスも甘えてくる。美貴よ。いつのまにそんなキャラになったのだ。

 


そのままオレ達は仲良く歯磨きをして就寝することになった。もちろん運動してからな。さて強くなるために頑張ろうと思う。さて今日はどうだろう。他の来訪者もいないかなと掲示板をのぞいた。

 


雑談掲示板part1

000001 名も無きプレイヤー

む、誰も書き込んでいないのか。僕は知っているぞ。先に来ている者がいることを。僕はお前には負けないからな!!

 


000002 名も無きプレイヤー

なるほど・・・。これが1人の悲しさか。いったい君はなにをやっているんだ。教えてくれ僕のライバルよ・・・。

 


000003 名も無きプレイヤー

おーい・・・・・・。誰かいませんか?

 


攻略掲示板part1

000001 名も無きプレイヤー

敵が強すぎる。どうやったらいいんだ・・・。出会った瞬間死に戻りする。誰か助けて・・・。

 


パーティー募集掲示板part1

000001 アタッカー

パーティーを募集したい。ジョブは問わない。みんな協力しよう。

 


ギルド募集掲示板part1

000001 アーサー

ギルドを作りたいと思う。人数が揃い次第作る予定だ。早く他の人達が来ることを願っている。ギルド名は円卓の騎士にする予定だ。返事を待っている。

 


000002 カポネ

カポネ組を作る。構成員はこちらに到着次第参加しろ。

 


脱!!ひとりぼっちの仮想空間生活!!