闇と光 第143話 宛城の闘い

ゴブ羽がゴブ備を打ち破ったことにより、ゴブ羽軍は4つ目の勢力へと名乗りをあげる。ゴブ羽軍は星の分水嶺とも言われる激戦区周辺に本拠地を構える。

 


ゴブ羽軍を中心に星の北半球の8割以上を手中に収めるゴブ卓・ゴブ操軍は魏国を建国。ゴブ布が大将軍なのは相変わらずである。宰相にはゴブ操が就任。強力な軍を再編しているという噂だ。今のところ内政・軍備強化のため目立った動きはない。

 


南半球の半分を収めるのはゴブ策軍。呉国を建国する。ゴブ羽とは同盟関係にあるのだが、現在内戦が勃発。内戦の原因は戻ってきたゴブ権によるものであった。ゴブ羽友好派とゴブ羽排除派の2つに国は割れている。

 


残りの北半球そして南半球の半分を手中に収めるのはゴブ紹軍。反ゴブ卓連合軍盟主の座は伊達じゃない。流浪していたゴブ備軍も吸収し、蜀国を建国する。最近大規模な遠征を計画しているという噂だ。

 


魏呉蜀・・・その3つの勢力のど真ん中に突如と名乗りを上げた4つ目の国。それが我らがゴブ羽の国である。名は妖(よう)国。星の名前である妖精から名前をとった。

 


新たにゴブ超なる将ゴブリンも加わっている。ゴブ雲との一騎討ちの際、実はゴブロリが闇のマナを展開し体内で刃を止めていた。その結果致命傷を免れ、一命を取り留める。

 


ゴブロリと数刻の対談をした後、ゴブ超はゴブ羽の軍門に降るという選択をした。現在は黑兎馬奇襲部隊を練兵させているところだ。やはり黒い馬が良く似合う。

 


忘れてはいけない存在があったな。ゴブ香だ。あまりにしつこかったのでゴブロリは邸宅の中に案内する。邸宅と言ってもゲルのようなテントを使っていた。

 


妖国は移動式国家なのである。彼らがいる場所が妖国なのだ。妻達の好物であるロリ桃を置いてくることはできなかった。そこでゴブ美さんが無駄な技術を使い、空中移動農園へと進化させ、ロリ園は名前をハイロリ園へと改めた。

 


妻達がロリ桃を好きな理由は味だけではない。食べているところを旦那が見ると抜刀状態になってくれるからだ。抜刀した刀は鞘に納刀しなければならない。つまりそうゆうことである。

 


あの後、鬼神化したゴブ美さんに事情を話すとゴブ香はゲルの中に案内された。そこでゴブ美の激しき嫉妬心が爆発する。それにゴブロリも応える。魅せつけるかのようにお互いを求めあっていくゴブ美とゴブロリ。ゴブ香は激し過ぎる様子を見て落胆していた。

 


自分では受け止めきれない。あれほどの激しさでは体が引き裂かれしまうだろうと言っていた。ゴブ香はゴブロリを諦め、ゴブ羽三兄弟のゲルも見学する。

 


しかしどこを見学しても結果は同じであった。ゴブ羽軍名物である地鳴り。夜の戦場は想像以上の激戦を繰り広げていたのだ。ゴブ香は衝撃を受ける。後にゴブデミー賞主演女優となった彼女は語る。あの時の私は井の中のゴブリンであったと・・・。

 


そんなゴブ香を見て15人の妻達が諭す。ゴブ香には愛が足りない。1人の人を命が震えるほど愛せなければあの激しさは受け止めきれない。愛があれば痛くない。愛が大きくなるにつれて激しさにも慣れてくる。妻達は愛があれば激しさの中には愛しか感じなくなるのだという。

 


ゴブ香は心を入れ替える。ビッチゴブリンを卒業し、一途ゴブリンへと変貌を遂げる。そんなゴブ香を見てゴブロリはあるゴブ男を紹介する。

 


ゴブ蔵である。勇敢なゴブリンであったにもかかわらずまだゴブ嫁がいなかったのだ。ゴブ蔵も4人には劣ってしまうがそれなりの名刀を持っていた。2人はすぐに意気投合。2人の初夜はゲルを揺らすほど盛り上がったようである。

 


2人が愛を育む。ようやく2人は地鳴りを発生させられるようになった。ゴブ羽軍名物地鳴りもパワーアップすることとなる。ついでと言ってはなんだが、ゴブ蔵も更なる進化を遂げていた。その風貌は忍者と呼ぶには失礼にあたってしまう。その名前ではかっこよさが追いついていない。アサシン。その言葉の似合うスタイリッシュなゴブリンとなった。

 


そんなゴブ羽軍は今宛城の中にいる。ゴブ羽が突然嫁宅で共鳴したいと言い出したのが原因である。ゴブ羽はシチュエーション型共鳴にハマっていた。しょうがないなぁとゴブ良、ゴブ信、ゴブロリは快諾。瞬く間に魏軍の宛城を攻め落とす。そう・・・こいつらは結構自由過ぎる旅をしているのである。

 


宛城の中でスパーキングゴブ鄒とゴブ羽が一段と激しい地鳴りを起こしている中、外では様々なゴブリン達が恐怖に震えていた。各国は台頭してきたゴブ羽が邪魔で仕方がなかった。故に暗殺を試みたのである。偶然にも三国が鉢合わせてしまっていた。そうして仲良く地鳴りに怯えている。

 


このまま帰っても叱責されるだけなので各国のゴブリン達は一時休戦、そして武勲を他国に奪われたくないので意を決する。ゴブ羽軍と魏呉蜀連合軍による闘いが宛城の地で勃発しようとしていた。

 


ゴブ羽軍と相対するのは

 


魏国3大将ゴブ韋軍

 


呉国ゴブ権派3大将ゴブ寧軍

 


蜀国ゴブ備配下ゴブ延(えん)軍

 


宛城の門は三方からいとも容易く破られる。ゴブ羽軍の野営は基本独身ゴブリン以外は地鳴りモードに入る。ゴブ羽軍にはゴブ女が常に従軍しており、他の軍とは違ったいい匂いがするのが特徴である。独身ゴブリン達はゴブ女の甘美な声を盗み聞きして1人で地鳴りを起こそうと試みている。故に警戒すらしていない。そんな隙をつかれてしまったようだ。

 


しかしゴブ羽軍は虚をつかれようとも関係ない。ゴブ羽軍の兵達は自身のゴブ妻への独占欲が強い。地鳴りモードのゴブ妻を見られることを酷く嫌う。故に独身ゴブリンも覗きだけは暗黙の御法度として周知の事実となっている。

 


さらにそれ以上に愛を邪魔されることを最も嫌う。それこそゴブ羽の発令がない限りは各将ですら邪魔できない。音を聞きつけたゴブ羽軍の兵達がゲルの外へと出てくる。大量の抜刀状態の裸ゴブ兵が出現する。怒りゲージは既にマックスまで振り切り、士気ゲージも壊れた時計のようにぶん回っているほど振り切っている。

 


ゴブ羽軍の将兵であるゴブ羽三兄弟、ゴブロリ、ゴブ蔵はやはり格が違う。ゴブ超も直に仲間入りを果たすことになると思われる。彼はまだ日が浅い。まだ経験値が足りないのである。

 


ゴブロリはゴブ美を持ち上げ、抱きかかえながらゲルの外に出てきていた。もちろんゴブ美の顔と四肢以外は闇のマナで覆い隠している。歩く度に地鳴りが鳴り響く。動かずともゴブ美により地鳴りが起こされる。

 


宛城内に入った刺客達は異様な光景、そして迫り来る地鳴りを前に闘う前から恐慌状態に陥ってしまう。

 


怒り荒れ狂うゴブ羽軍による蹂躙戦が開始された。しかし敵の将兵は流石に鍛え方が違う。するすると兵達の群れを抜け、地鳴りの元へ一直線に向かう。

 


共闘関係なのでゴブ寧軍が空から将を運んでいた。

 


魏軍

ゴブ韋副将ゴブ晃(こう)ゴブ惇(とん)ゴブ禁(きん)

呉軍

ゴブ寧副将ゴブ当(とう)ゴブ普(ふ)ゴブ蓋(がい)

蜀軍

ゴブ延(えん)副将ゴブ維(い)ゴブ顔(がん)ゴブ倉(そう)

 


12人のゴブリン達がゴブ羽達の元へと迫っていた。