闇と光 第101話 それぞれの反応

外に出るなりオレは茉莉花を強引に引き寄せ、腕に抱きつかせた。あれほどアピールしてきた彼女だったが今は静かにくっついている。まぁ幸せそうな顔をしているので大丈夫だろう。

 


道を歩いているとマースちゃんだという声が聞こえる。魔王様と呟きながら熱い視線を送ってくる者もいるが気にしないでおこう。あれは茉莉花のファン達か・・・お前らから取るつもりはなかったんだ。オレ達はファンの元へ近づいていく。

 


「申し訳ない。成り行きでこの子も彼女になることになった。許してくれ」

 


オレは素直に頭を下げ謝る。茉莉花のファン達に対しての裏切り行為と取られても仕方がないからな。

 


「いえ・・・私がいけないんです。彼のことが好きになってしまってぐいぐい行った私のせいです。皆さんのことを気遣って頑なに断っていたのですが、さっき私の熱意に負けて折れてくれたんです。ですから彼ではなく私のことを非難してください」

 


確かに気遣ってはいたがバレているとは・・・女の子って凄いね。ファン達は茉莉花のことをじっと見ていた。可愛い。魅力が増したなどなぜか彼女の評価が上がっている。彼女の幸せそうな顔を見ればどれだけ好きなのかわかるそうだ。オレならば文句はないとも言っていた。こんな男でいいのかお前たち。彼女が幸せならこいつらはそれでいいそうだ。

 


お前らこそ真のファンだな・・・オレの前に立ちはだかったのもお前達だった。茉莉花達は愛されているな。こういう者達ならぜひ未来の仲間になってもらいたいものだ。だが手の平を返す唯のファンのようなやつらはダメだ。問答無用で処分させてもらおう。早く訓練が終わって欲しい。もっと強くなりたいがやりたいことが山ほど湧いてくる・・・せっかくのチャンスだ・・・まぁじっくりやろう。やりたいことが逃げることはない。とりあえず良いものを見せてもらったのでオレからも彼らにプレゼントしよう。

 


「今度この子達のステージを開催すると約束しよう。良いファンを持ったな茉莉花

 


こういう者達のためならば喜んで彼女を見せようと思う。ということで勝手に開催予告した。姦9にはアイドル活動も続けてもらう。それがこの者達に対してオレの最大限できることだ。唯も歌を続けたいのだろうか?今度聞いてみようと思う。

 


ファン達はそれを聞くと喜んだ。PV以来活動していなかったからだ。みんなに伝えてくると言って彼らは散って行った。彼女が礼を言ってきた。なんだかんだアイドルは続けたかったらしい。したいことがあるなら遠慮なく言えと伝えた。その結果お姫様抱っこをしている。いやそうゆうことじゃなかったんだけども・・・まぁ彼女がしたいならそれでいいか。

 


その後さくっと指輪を作り茉莉花の指にはめた。ついでにネックレスも購入した。写真は後でなと言ったら2ショット写真がいいといったので茉莉花の物だけには写真が入っている。目的の物は手に入れたしまったり帰ろうかな。もじもじしているのでまた強引に抱き寄せた。お姫様抱っこはよくてこっちを恥ずかしがるのは謎だな。

 


部屋に帰るとニヤニヤしている4人がいた。そのやっぱりねっていう顔はやめてほしい。いい子達でよかった。悪女だったら簡単に手玉にとられていいようにされていたであろう。4人は自信満々な表情でオレ好みにコーディネートしたと言っていた。確かにオレ好みになってたよ。一生頭が上がらない人がこのままでは増殖してしまいそうだな。

 


忘れていたことがあったのでオレは転移塔に転移した。部屋の間仕切りを無くすためだ。茉莉花を彼女にした以上、もう一緒の部屋でいいと思う。実質姦9も一緒に暮らしているようなものだし。ドレッサーもさらに9個追加しておく。ベッドもつなげて大きくしておいた。いつまでも眺めさせているのはかわいそうなのでせめて一緒に寝ようと思う。

 


部屋に戻ると茉莉花はメンバー達に囲まれていた。喧嘩かと思ったら皆喜んでいる。私達にも希望ができたとか言ってるが聞かなかったことにしよう。残りは心の準備ができたらと言ったら4人の女達にからかわれる。みんな楽しそうでなによりだ。

 


しかしここは楽園だな。13人の好みの女の子達に囲まれている。夢の世界だ。この部屋を新たな聖地にしようと思う。送った動物達も吉子がしっかりまとめているようだ。なかなかいい部屋になってきたな。赤ちゃんのための物もたくさん揃っている。庭に赤ちゃん用の小屋も用意してある。産まれてくる子のためのテーマパークだ。そういえば何十年も子供に会っていない気がする。

 


花音と花蓮は何をしているのだろうか。花音と花蓮はオレの娘達のことだ。ココアに守ってやるんだぞと教えてはいたが小型犬だからな。期待はできそうにない。オレに似てビビりだし。まぁ忠義は厚いので最後に託した願いは守っていると思う。

 


今頃6歳と4歳か。時間加速の中過ごしているとおかしくなりそうだ。現実ではまだ1年も経っていないんだな。オレの場合既に年齢分くらい過ごしてるから特にそう感じる。

 


9人増えると凄いな。とてもいい匂いだ。オレの隣は交代制ということになった。せっかくの広いベッドなのにオレを中心に一塊となって寝ている。手の届かない子はハイロリハンドの腕枕をし手を繋いでいる状態だ。肉林ならぬ愛林である。

 


結局残りの8人も彼女にした。気持ちに応えてあげたかった。なによりもオレがもう我慢できなかった。タトゥーを入れ指輪もはめた。もちろんネックレスもだ。ちゃんと8人のも用意してたんだよ。一人一人大切に愛していこうと思う。

 


この日姦9(みだらないん)は姦9(くのいちないん)に改名した。