闇と光 第97話 平穏な1日

今日は閉会フェスティバルが行われる。

 


もうすぐ始まるな。オレはあの後彼女達との再会でハッスルネオをした。デキウスが他支部との交流のためマイルームに入れるようにしてくれていたのだ。オレの部屋には7つのドレッサーが揃った。今彼女達は幸せそうにぐったりしている。もちろん全員オレに触れながら・・・7人の醸し出す夢の虹の匂いが堪らない。

 


久しぶりの彼女達が可愛くてたまらない。彼女達も待ち望んでいたらしく、昨日は衣装替えを何度も行った。そして全員でマナ写真?を撮った。ヴェルンドに頼んでおいたマナ記憶装置が出来ていたのだ。アリスが事前にマナを込めると写真のホログラムを映し出すピアスを8つ用意していた。相変わらずできるアリスだ。

 


オレが左、彼女達は右につけている。みんなでお揃いのアクセサリーって嬉しいな。そういえば3人とも色の違うワンフィンガーだった。先生のご指導のおかげらしい。もはやアリス先生の代名詞である。ちなみにカーチャ、チャーリー、レナはAAA、B、Aだった。

 


オレとしてはこのまま過ごしていてもいいのだが、開会時のような花火がまたあったら一緒に見たいとみんなに頼まれたので行くことにした。

 


君達より綺麗なものは存在しないというのに・・・1度みんなしっかり鏡を見たほうがいいと思う。ハイロリハンドで全員の頭をなでなでしている。腕枕に2人ずつ。太もも枕に2人。お腹枕に1人いる。動けないほど密着されている。ちなみに今鼻に襲いかかっている熱烈な匂い・・・お腹枕をしているチャーリーの濃密な匂いが堪らない。毎日こうしてたい。

 


オレの体には大量のマークがついている。つけてと言ったらつけてくれたのだ。7つの傷どころではない。オレも終末の覇者になれる資格を得たわけだな。うん。

 


彼女達も欲しがったので見えるところにつけ、そしてオレのマナを使いお揃いのタトゥーをいれた。オレ達の足の付け根には黒い桔梗が咲いている。8人だけの秘密だ。

 


さてと・・・みんな復活したしそろそろ行こうかね。そのまま着替えて行く。みんなの匂いが体に染み込んでいていい感じだった。テンションも上がりまくりである。後ろに4人、前に3人くっついている。オレの方が身長が高いので顔だけ出ている。低くなくてよかったと思う今日この頃である。闇で彼女達を優しく包みこむ。

 


・・・いつも通り舞台に来てしまった。基本乱入しかしてなかった気がする。飛ぶ場所間違えちった・・・。

 


様々な声がする。見せ物じゃねーよ・・・まったく。なんで彼女達の名前が呼ばれてるんだ?オレの女だ。痛い目に合ってもらおう。仲間以外は処刑だ。磔の刑に処す。

 


「聞けぇ!!今十字架に磔にされているやつはオレの女の名を呼んだ不届き者だ!!もう2度と呼ばないと言うなら解放しよう!嘘を言った場合は茨の蔦がお前らをずたずたに切り裂くぞ!マナでわかるかんな!?それにお前らのマナはもう覚えたっ!見つけ次第襲うから精々気をつけなっ!」

 


「「「「「ねぇ?言うことある?」」」」」

 


「ごめんなさい。乱入の癖で舞台にきてしまいました」

 


笑いながら素直でよろしいとみんなに頭撫で撫でされている。元々の目標地点を目視したのでそこへ転移する。所々真っ赤な花火が光になって消えている。これが噂の花火なんだな!

 


「相変わらずだなハイロリ。少々やり過ぎな気もするが・・・」

 


「あれはファンクラブなんですよ。美女揃いですからね」

 


「自分の女の子達は絶対に渡さない。そういうのははっきりしておかないとな。その方が女の子も喜ぶぞ?で・・・それがアサ吉の守りたいものか?・・・嫌いじゃない。アサ吉も大事にしてやれよ。それにこの子達のファンはオレだけでいいんだ。まっ・・・仲間なら許すけどな」

 


アサ吉も甘ちゃんではなくなったようだな。すべてを守ることはできない。守りたいものは限定しなければならない。オレはもちろん彼女達。次いで仲間だな。自分の命は相変わらずついででいい。大した価値もない。

 


美貴は後輩と話しにいった。あそこまで仲良くなるとは女の子ってのはまだまだ謎多き生き物だな。君達お互いのこと嫌いでしたよね?

 


「アニキ。お久しぶりっす。いい感じに人員が増えて順調に育成してます。それから自分にも彼女ができたっす」

 


「彼女じゃないでしょ?婚約者。あなたに心奪われた者同士惹かれ合っちゃった」

 


「カポネ。ジャンヌはいい女だ。大事にしてやれよ。それから盗賊部隊も編成しておけ。現実に戻ったら食料を確保して置くべきだ」

 


ジャンヌには目で返す。それで通じるはずだ。1度惹かれ合った仲だからな。アサ吉にカポネも祝福してやろう。命を捨ててでも守るんだぞ。カポネに育成の指針をさらに示す。現実に戻った時用の部隊を編成・育成させている。必ず勝てるとは限らない。追い込まれた時にそれは生きるはずだ。唯がジャンヌと話している。なんと唯が元アマゾネス部隊を束ねることになっていた。

 


「はじめまして。ハイロリさんうちのマスターがお世話になってます。エカチェリーナが一晩で女の顔になっている・・・」

 


「カーチャのギルメンか。歓迎する。カポネ!他支部の補佐役にも育成方針説明しといてくれ」

 


「私はカラスさんの番なんだよ?何言ってるの?っていうかねぇっ!!見て見て!これいいでしょ」

 


カーチャはピアスを自慢しにいった。無邪気で心が和むなぁ。みんな仲間になる。減るとは思うけどな・・・。だから同じ方針を勧めておく。仲間には優しくだ。

 


「テイラー様。昨日より美しくなられましたね」

 


「ボスも乙女の顔になってる。そっちも似合いやすぜ」

 


「あら?恋する乙女なんだから当然よ。ハビーに熱いのもらっちゃったわ」

 


「お前ら・・・私はキングの女だからな。女として一生尽くす」

 


この2人はとても部下に好かれてるな。でも1番2人を好きなのはオレだ。仲間といえどもそこは譲らんぞ。アリスとアヤネと一緒に座っている。当然のように2人ともオレの上に座ってくる。まっ、くっつきたいからいいんだけどな。うぬ?なんかお姉さん達の視線を感じる。今回はオレなにもやってないはずなのに・・・。

 


「ねぇなんでオレ見られてるの?」

 


「ご主人様のファン達ですね」

 


「ハイロリ様の魅力が大きすぎるからだよ」

 


ファンか。オレはこの子達だけで間に合っている。他所を当たってくれ。彼女達のものであることをアピールするために2人の顔を引き寄せオレの唇を塞いでおく。さらに視線が増えた気がするが気にしないことにしよう。

 


「ハイロリ・・・お前よく堂々とできるな」

 


「ん?彼女達とこうしているのがオレにとっての自然体なんだ。呼吸と同じだな。当たり前のことをするのに何を気にする必要がある?」

 


「さすがアニキっす。みんな羨ましがってるっすね」

 


「アーサーもしていいんですよぉ?」

 


「カポネもあのぐらい堂々としてくれたらいいのになぁ」

 


いつの間にか美貴と唯も戻ってきていた。アーサーもカポネもオレと同じようだな。

 


「お前らも似たようなもんだな。オレは彼女達のものなんだ。だから彼女達を満足させるという天命がある。女性に生まれてきてくれた彼女達に一生女である悦びを与えてやらないといけないんだぞ」

 


2人とも尻に敷かれるやつだ。もちろんオレは尻に敷かれる。それは揺るぎない運命だ。ほら?今も物理的に4人の尻に敷かれている。

 


「さぁ〜〜閉会フェスティバルがまもなくはじまるよぉ!みんな盛り上がっていってねぇ」

 


「あっ、ちょっとあの変態に用事があるから行ってくる」

 


4人がやれやれと言った表情で降りてくれた。闇を纏いデキウスの背後からぶん殴る。吹き飛ばされたデキウスは舞台に舞い落ちる。

 


「お前の望み通り盛り上げてやったんだから。素材よこせ」

 


「熱烈な歓迎ありがとう。あれ?バレてた?」

 


「オレはくる必要がなかった。でもお前のために昨日きてやったんだぞ?感謝しろ」

 


「いいだろう。これからもギブ&テイクの関係を築いていこうじゃないか」

 


「素材もらえるならそれでいい。あとでよこせよ。あと他支部の鯖へ物を送れるようにしといてくれ。してくれないなら無理矢理空間超えて突破するまで暴れるからな」

 


デキウスは快く承諾してくれた。覗き見が捗るとか言っていたがオレにもその技教えてくれないかな?とりあえず物は確保できることになった。オレ達の武器とアクセサリーに使う素材のためだ。彼女達がお揃いを喜んでくれたのでもっと作ろうと思う。いや作ってもらう。オレは作ることは向いていない。何事も適材適所ですよね。