闇と光 第46話 様々な命唱

ピヨ吉とピヨ子をオレの獣魔に登録した。焼き鳥か親子丼が食べたくなったので親子丼を昼に食べた。なかなかいい出汁してるぜ。女の子3人の出汁だからな。いつかオレも彼女達に料理を作ってあげたいが、オレは焼く、炒める、茹でるしかできないからな。適材適所ということで諦めよう。

 


アリス先生がさっそく調教すると言っていたので着替えさせた。セクシー女教師といったところか。メガネがそそるぞアリス。調教用の鞭をもたせれば完成だ。アリスが生き生きとしていたが、オレにそっちの趣味はない。ごめんなアリス。

 


アヤネはさっそく道場で門下生達を鍛えにいった。アヤネにオレ以外の男に触れるなよと一応クギを刺しておいた。アヤネのすべてはオレのものだからな。あいつらアヤネに手を出したら命がないと思えよ。

 


今は美貴とツーショットタイムである。久しぶりだったのですりくんタイムしながらまったりしている。もちろんネオの後なので前回より匂いのランクがマックスに振り切っていて蕩けてしまいそうになる。

 


お互いのことを詳しく話し、より深く美貴とつながれた気がする。オレは弱さを持ってる子が好きだ。オレも弱いからな。同調できひとつになれるからだ。逆に強い子も好きだが。こっちは単純に引き寄せられるかのように惹かれてしまう。ちなみに普通の子は好きじゃない。

 


時間が進むのがあっという間だった。アヤネとアリス。そして調教を終えたピヨ吉子も集まってくる。2匹の鳥は心無しか疲れているように見える。しょうがない可愛がってやろう。

 


2匹をもふもふしている。アリスになにをされたのか聞いてみたが口を割らなかった。アリス先生なにしたの?もふもふが気持ち良かったらしくオレの足の上で吉子は寝ている。

 


「ご主人様。準備できましたよ〜。あら?ピヨ吉、ピヨ子。ご主人様の上でなにをしているんですか?」

 


「ああ。吉子が疲れてたように見えたからもふもふしてあげてたんだ」

 


「「ピィピピ(姉御!ご主人様にもふもふしていただいて有難き幸せにございます)」」

 


「なんて羨ましい・・・。あなた達のご飯も用意したからあっちで勝手に食べてきてくださいね」

 


「アリス。あとでいっぱい可愛がってあげるからあまりいじめないでやってくれ。そうだ。ピヨ吉とピヨ子に初任務だ。そのこたつの卵暖めておいて。ちなみにそれヌッシーの卵だから、孵らないとあいつ襲ってくるからな。頼むぞ」

 


「「ピィ!!(ラジャ!!)」」

 


アリスを見る目が怯えていたようだがなにをしたのだろう・・・。きっと知らない方がいいこともある。ピヨ吉、ピヨ子強く生きるんだ。オレが優しくしてあげるから。優しくすると吉子はすりすり寄ってきてくれるのでなかなか可愛いな。友達になろうじゃないか。そして非常食として愛でてやろう。

 


「ご主人様。そういえばアヤネと私の剣をどうやって止めたのですか?弾かれた時には突然ご主人様がいましたし」

 


「ハイロリ様にドキッとしちゃった。簡単に私達の剣を止めてたもんね」

 


「アリスとアヤネが使ってた多重命唱とやらを使っただけだぞ?止めないとやばそうだったし、血だらけの2人を見ていろいろ我慢できなくなってしまってな。同時に4つ命唱を重ねたんだよ。まさか重ねるだけであれほど速くなるとは思わなかったが」

 


「・・・ハイロリ様。今同時って言った?」

 


「言いましたね。・・・ご主人様それは多重命唱ではありません。多元命唱です。私はできません。多重命唱が足し算だとしたら、多元命唱は掛け算式に力が上がります。頭の中で唱えることになるので並列思考ができなければ使えません。・・・ご主人様凄いです」

 


「ハイロリ様素敵」

 


2人は顔を赤らめながらいった。多元命唱といったか。これがオレの切り札になりそうだな。そういえばステ見た時にひっそりあったな。ということは自分の中で分割する数を増やしてやればもっと強化されるわけだな。

 


「それが慶太に警報が鳴った理由なわけね。あんまり無理しちゃダメよ。慶太は私たちのものなんだから」

 


「うん。オレは3人のものだよ。ところで命唱っていくらでも重ねられるの?」

 


「ご主人様。理論上は可能なはずです。ただの命唱より多連命唱をした方が能力は上がると思います。多連命唱とは命唱句を連続して唱える命唱のことを言います。

 


名乗る時は1句しかありませんよね?そこから様々な句を足します。体への負荷は大きくなりますが普通の命唱より効果が高いです」

 


「多段命唱ってのもあるよ。命唱を重ねる時に多連命唱の命唱句を階段みたいに1句ずつ増やしていくとさらに効果が上がるわ。さらに負荷が大きくなるけどさらに効果が高いのよ」

 


「こらぁ!アリスにアヤネ!慶太に余計なこと教えないの。絶対やるわよ慶太なら」

 


「死なない程度にやるよ。大丈夫。大丈夫。それに3人がまたくっついて助けてくれるでしょ?」

 


さすが彼女達。もちろんと言ってくれた。もう3人がいないなど考えられないな。多連命唱に多段命唱か。多元命唱で試してみたいな。要は連段させながらいっぱい多元命唱を重ねていけばいいんだろ?多連段命唱といったところかな?明日やってみよう。その前にやることがあるな。

 


「共鳴すれば美貴もアリスもアヤネも多元命唱できるようになるかな?もっと深く共鳴したいな」

 


「ご主人様私もしたいです」

 


「ハイロリ様いっぱいしよ」

 


「慶太私も・・・。でもお風呂入ってからにしよ」

 


貪欲な女の子達でなによりだ。オレ達は風呂に入りネオに突入した。共鳴のためだよ?勘違いしてもらっては困る。共鳴のためにこれから毎日の日課にすることをオレ達のルールにしよう。それがいい。今までと変わらない?うん。いつも通りだね。

 


朝になった。今日はオレが出遅れたようだ。昨夜から感じていたが3人のコンビネーションが凄まじい。そして今も三方向から・・・まったく最高の女達だぜ。いつも通り朝の共鳴作業を行なった。

 


そして美貴が再び現実へ旅立ってしまった。次にこっちに来た時から訓練をすることになった。美貴は引きこもり時代ゲームと勉強しかしていなかったため、ゲームの腕がそれなりに高いと言っていた。自衛のため射撃の勉強もしていたというから驚きだ。結構な腕前らしい。

 


彼女達の実力が上がるのは大いに歓迎するが、いつか喧嘩になった時負けないようにオレは必死に鍛錬しなければならない。負けたら悔しいからな。華麗に優しく勝てるぐらいにならないと。多元命唱が掛け算式というならば素の戦闘力上げが重要にもなってくるだろう。でも筋トレ嫌いだしなぁ。肉は一部を除いて柔らかい方がいいでしょ?

 


吉子達にも新たな任務を与えた。ラルカスさんのところで魔獣チェッカーのバイトをさせる。魔獣がいたらすべて配下にしろと伝えた。お金も稼げて一石二鳥だな。アリスにその旨を伝え吉子は連れて行かれた。ブルブルと震えていたのは嬉しいからだということにしておこう。負けるな吉子。ゆくゆくはハイロリ鑑定屋の店長と副店長にしようと思う。

 


さてアヤネの姐さんも道場に行ったことだし、オレも本格的に鍛錬しよう。これから来訪者達が続々と増えるだろう。その時に未知なるいいお姉さんを探すために、ついでに強くなるために鯖すべてを超えて匂いを堪能できるようになろうと思う。

 


限界まで痛みに耐えてやればそれなりにいけるだろう。痛覚50%のうちがチャンスである。本来の痛みの半分しかないのだからな。再び倒れることになりそうだがなんとかしてくれるだろう。なんとかならないならしょうがない。3人の彼女達に命を預けよう。

 


普通にやったんじゃ間に合わない。オレは弱い。元々一般人クラスの力しか持っていない。国の想定を超える速度で強くなるんだ。せっかくの強くなるためのチャンス。逃しはしない。

 


オレの無意味なちっぽけな命。だがようやく大きな意味を持った・・・今こそ命をチップにする時だ。命懸けの賭けの始まりだ・・・。上手くいけば能力は跳ね上がるはず!・・・生きててよかったと思うくらい楽しいな。自身の命を輝かせることができるとはオレは幸せ者だな。

 


このチャンスを逃すな。すべては力を得るために・・・そしてオレの理想の世界にするために。