闇と光 第81話 ハイロリの闘い3

「標的は新撰組だぁぁぁ!おや、彼らの様子がおかしいぞ。どうする気だ!?」

 


「1対1で戦いたいところだが敵わない。降伏する。切腹するので非礼を許してほしい」

 


「なんとまたしてもハラキリだ。ハイロリはどうする?またしても受け入れるのであろうか!?」

 


「ああ良かろう。武士道精神とやらの自由は認めよう」

 


「ハイロリが降伏を許した・・・かに思われたが新撰組の者達の腕がすべて斬り裂かれ宙を舞っていくぅぅぅ!」

 


「自由は認めよう!だが認めた上でオレの自由を押し通す!闘いを穢す武士道精神とやらを踏み潰そう!オレの殺し合いに置いてそのルールは反している!制限をかけたその精神!オレを侮辱しているに等しい!1対1もできず!剣を交えることもできず!ただ地に伏して眺めていろ!動くならお前らも地獄を見よ!!」

 


「なんという心!人間の心ではないのかもしれない!彼の心は悪魔にでも売り払われてしまっているのか!?2つの相反する意思。それが話し合いで解決しない時はどうなる?そう・・・争いだ。掟と掟のぶつかり合い。彼らの尊厳。彼らの掟。彼らの信念はひとりの男の手によって踏み躙られていく!

 


だが彼を否定することは許されない。敗者が間違っていて勝者が正しい。これが自然の摂理。弱肉強食の世界だ!彼は人間の生が弱肉強食の上に成り立っていることを知らしめんとでもいうのだろうか!?

 


新撰組の者達を黒い弾丸が襲っていく。これは痛い。僕はもらったから知っている。次々に倒れていく者達。だが立っている者がいる限り弾丸は止まない。全員血溜まりの中に浮かんでいる。弾丸が止んだか!?・・・と思われたがしかしっ!

 


彼らの上空より弾丸が飛来する。これは弾丸ではなかったようだ!彼らの体は湖の中に貼り付けにされているかのようだ。おっと、動いてはいけない。そう言われていたはずだが動いてしまった者がいる。

 


黒い虫のようなものが彼の体を這いずり回っている。肉を引き千切っては再生しまた引き千切る。体の上に夥しい虫達が徘徊している。ひとりの悲鳴は波紋のように伝播し広がっていく。あっという間に全員虫に包まれた」

 


「動くなっていったのに・・・全員ドMか?」

 


「ハイロリはまた探しているぞ。ん?ハイロリが固まっている。ハイロリの視線の先にあるものはなんだぁ?あれはゲイボルグだ!ゲイボルグの集団がいるぞ。彼ら・・・失礼。彼女らはなにやらくねくねして顔を赤くしている。ハイロリに早くしてくれと無言でアピールしているように思える。ハイロリがなにか言ってるぞ」

 


「命唱。我が愛の焔よ。最愛の者達への我が愛。この身に力となり宿れ。穢らわしき者達を滅する力を我に。彼の者達を燃やし尽くせ。我が愛を彼女達に魅せよ」

 


ゲイボルグ達を塞ぐ結界が壊れぬまま天から漆黒の焔が降ってくる。今度は火祭りに上げるらしい。彼女達は逃げることもできず灼かれていく。漆黒の焔によって浄化されていく。なんだあれは漆黒の焔が黒い薔薇の形に変わっていく。その周りにもなにかあるぞ?あれはハートだ。ハートが8つ薔薇を囲んでいる。これはどういうことなのだろうか!?」

 


「カラスさん。お花ありがとう」

 


「あん。またサプライズ?びっくりし過ぎて息が止まってしまうわ。でも人工呼吸していいのはあなただけよ。マイラブ」

 


「・・・綺麗。私もキングに甘えようかな・・・」

 


「ご主人様・・・。照れますね」

 


「もっとハイロリ様の近くに行きたい」

 


「ダーリンの愛熱すぎぃ」

 


「先輩見てください。きっとこれ先輩にですよ」

 


「あ・・・綺麗・・・」

 


「先輩惚気はいくらでも聞きますけど手は動かしてくださいね?」

 


「わかってるわよ!・・・好きだよ」

 


「先輩聞こえてますよ。乙女過ぎて私が彼女にしたいくらいです。そういえば先輩ちゃんと彼に相手してもらってますか?コミュニケーションは大事ですよ。でもあれだけ人数いるとなかなか構ってもらえませんよねぇ・・・。

 


それに揉んでもらうと大きくなるんですよ?彼の理想のサイズになれるようにいっぱい誘惑しないといけませんよ!私は先輩を応援しますっ!」

 


「え・・・どうしよう!?慶太はちっちゃいの好みなのに!?」

 


「・・・都市伝説です。そこまで大きくなりません。というか・・・心配するほど相手してもらってるんですか?」

 


「・・・毎日かな」

 


「あんだけの人数いるのにっ!?どんだけ大物なんですか!?さっき服の上から見ちゃいましたけど・・・実物はもっとですよね・・・私今まであんなの見たことないですよ!彼は彼女のこと大事にしてそうだし・・・優しくしてくれるんだろうなぁ・・・あれならみんな癖になっちゃいますよねぇ。それが・・・毎日・・・ちょっとムラムラしてきちゃいました」

 


「え?そうなの?私慶太しか知らないし」

 


「先輩はもう離れられませんね。彼じゃないともう満足できないですよきっと。いいですか?先輩・・・彼は優良物件です。絶対離しちゃだめですよ」

 


彼女達は口を動かしながら必死にバイタルを安定させることに集中していた。