闇と光 第113話 空飛ぶ六花ちゃん

「久しぶりだなぁリュカウス」

 


「待っていたぞハイロリ。・・・ん?何を持っているのだ?」

 


「酒だよ。1番いいのを盗んできた」

 


「酒?」

 


「実はな子供が産まれた。だから今日は闘わずに語りにきただけだ」

 


「かかかっ!ならば飲もうではないか好敵手よ」

 

 

 

悪爺貯蔵庫からパクってきた最高級のお酒。味は知らん。とりあえずリュカウスと語り合ってみたかった。何も言わずリュカウスは付き合ってくれた。こいつなんだかんだいい奴だよな。

 


「新しい命唱技を覚えたら突破してやるからなリュカウス」

 


「くくくっ・・・楽しみにしている。連段の上の命唱も存在しているからな」

 


気になることを言ったのでがっつり聞いてみた。命唱には多連段の上に多乗、多界、絶理命唱なるものがあるらしい。唱える句の数、命唱数ともに鬼畜仕様であった。特に絶理はやべぇ・・・。やること増えちまったじゃないか・・・。まだまだこいつを突破できなさそうだな。

 


あっという間に空けてしまったな。ん?日は暮れている。時が経つのが早いようだ。10本と言わず100本くらいくすねてくるべきだったか・・・。

 


愛の巣に帰る。しかし六花の成長具合が早い気がする。原因には心当たりはある。

 


ミルクだ。オレとアリスのマナだけじゃなく彼女達全員のマナをたっぷりと混ぜ込んである。マナミルクってやば過ぎるだろ・・・。まぁ彼女達のマナもそれなりに強いからできることなんだけどね・・・。

 


六花はみんなに遊んでもらって楽しそうだ。よしここはパパとして盛大に楽しませてやろう。

 


まずお外に行きます。そして高い高いします。3000メートルくらいまで。

 


「ちょっ!?何してんの慶太!?」

 


「いや小さい時って揺らしたらやばいんだけど高い高いを喜ぶからな」

 


「「「「「これやばいやつっ!!!!」」」」」

 


アリス以外から悲鳴が上がる。首もちゃんと支えてるし大丈夫なのになぁ。六花が落ちてくる。とても楽しそうな表情をしている。やっぱり楽しいよね。そうだよね。彼女達が黙ってその表情を見ている。

 


「よし六花。もっと高くいっちゃうか?」

 


「「「「「ダメ!!」」」」」

 


強制的にやめさせられてしまった・・・。親子の団欒の一時なのになんてことを・・・。しょうがないので別の遊びをさせてあげることにする。

 


「ピヨ吉、ピヨ子、サリー。六花を空中の旅に案内してやれ」

 


「「「らじゃ!」」」

 


彼女達は目を見開いている。3匹によって空へと旅立つ六花。さっきよりも楽しそうにしている。パパより動物の方が好きなのか・・・パパ悲しい・・・。

 


「よしよし・・・ご主人様大丈夫ですからね」

 


すかさずアリスが慰めてくれる。素直にアリスの首筋に顔をうずめる。・・・至福の一時である。

 


「吉子!サリー!六花を乗せて上げてくれ」

 


びゅんびゅん飛んでるなぁ。大好きな動物と一緒に空を飛べて嬉しそうにしている。あの3匹の空飛ぶ生き物達はそれなりに強いので六花の体をちゃんと保護できる。さすがアリス。調教能力が高いなぁ。六花もサモナーの素質があると見た。いずれ六花に動物達を託そうと思う。鳥とトカゲに乗る六花・・・絵になるな・・・。

 


ん?降りてきたな。おや・・・六花が寝てしまったようだ。しかもピヨ子を離さない。ピヨ子・・・諦めて一緒に寝てやれと言ったら喜んで添い寝するピヨ子。ピヨ吉とサリーも添い寝し出した・・・。まぁいっか。可愛い動物達と可愛い六花。仲良くやってくれ。布団代わりの羽毛と暑さ対策の冷んやりトカゲ。いい組み合わせだ。

 


さて・・・もっと上の命唱を極めないとなぁ。それを使った上で思い描いていた技をマスターしたいところだ。技名がなかなか思いつかない・・・。それはおいおいとして・・・とりあえず夜の共鳴作業をしたいと思う。

 


・・・。みんな寝静まったな。ハイロリゲンガーとオレを入れ替える。ふふ・・・約束していたんだ。というか毎日の約束だ。オレは部屋のある場所へ行く。ロッカーの前だ。配置しておいてよかったと思える今日この頃。

 


静かにロッカーを開ける。すると中からいい匂い・・・彼女達とのネオを覗いてたせいで色っぽさが滲み出ている。オレは静かに中に入った。中は2畳半くらいの小部屋に改造した。ちょうど人2人が密着できるような作りである。出口は2つ。オレとフーカの部屋同士を結びつけた。

 


「待ってたよハイロリ・・・もう我慢できない・・・」

 


いきなりねっとりと抱き着いてきた。フーカってオレと2人きりの時すんごい可愛いんだよな。ギャップって大事だよね。これはほぼ毎日の日課となっている秘密の共鳴作業である。

 


しかしその様子を見守る者達がいた。そうベッドで寝ていたはずの彼女達である。これは特別顧問フーカの特別授業なのだ。そうゆうことにしないとフーカはハイロリと2人きりになれないのである。

 


部屋のスクリーンに映し出されるハイロリとフーカの姿。嫁達は食い入るように見ている。

 


「慶太にあんな表情させてあげたいな・・・」

 


「お姉ちゃんには負けません。いつか必ずお姉ちゃんより上手くなります」

 


「ハイロリ様可愛い。あんな風に激しくされたい」

 


「ダーリンがいつもより獣になってる。ボクももっと強引に求められたいなぁ」

 


「「「「「・・・はぁはぁ・・・妖様ぁぁ」」」」」

 


「それ慶太に見せたら喜ぶと思うよ」

 


「ご主人様なら食い入るように見てくんくんするはずです」

 


「ハイロリ様の息がかかるとゾクゾクしちゃうよね」

 


「そうだ。今度ダーリンにみんなで見せてあげよう。ボクの恥ずかしいところをいっぱい見てもらうんだ」

 


嫁達は昼の修行だけでなく、別の修行にも熱心であった。ハイロリは見られているということを知らない。この授業のために嫁達が早めに寝ることすら理解していない。男という種族はやはり哀れである。