闇と光 第125話 第2の街へ

だいぶ体が動くようになってきた。本調子ではないので体を思いっきり動かそうとすると可愛い嫁達に叱られる。心配してくれているのがわかるのでオレは素直に聞く。見ていないところでは少しだけ・・・怒っている嫁達もそそるんだよな・・・。

 


さて現在は、リハビリも兼ねて街を散歩中だ。なんか天誅だっ!って鳴く小鳥のようなものが時折突っ込んでくるけど散歩ってそんなもんだよね。

 


「アニキっ!動けるようになったっすか?あの串刺しになってるのって・・・レジスタンスの奴等っすか?すみません・・・アニキの手を煩わせてしまって・・・」

 


「ん?不思議な鳴き声で鳴く人型の鳥が突っ込んできたからな。枝を周りに出したら勝手に串刺しなっていった。それを早贄として放置しておいただけだぞ?」

 


「ははっ!やっぱりアニキは桁違いっすね!それはそうと第2エリアには入りました?」

 


「いや・・・嫁達の許可が降りるまでオレはこの街を出ることができない・・・クリアはしたが・・・大いなる力により封印されてしまっている」

 


「・・・大変っすね。オレのとこもジャンヌが怖いっす・・・」

 


「ジャンヌは鬼嫁の素質がある・・・気をつけろカポネ」

 


「ありがとっす!前の第2エリアは対軍団戦のエリアで王を倒せばクリアっす。参加人数で将兵クラス、敵の人数が増えたっすよ。強化されたボスについてはよくわかんないっす・・・援軍に行きたいところっすが・・・クリアしたエリアには戻れないんすよねぇ・・・」

 


「まぁクリアできるまで頑張ってみるよ。みんながオレを待ってるからな!」

 


「ア、アニキぃぃ!なんてお優しい心をお持ちなんだ・・・」

 


「それはそうと各部隊の育成具合はどうだ?」

 


「各部門順調に育ってきてるっす。新しく作った部隊もそれなりっすねぇ。1日もあれば地下帝国を築けるっすよ。ずっと聞きたかったんすけど・・・何に使うんすか?」

 


「現実で敵に押し込まれた時用だな。必ずしもオレ達が勝てるとは限らない。それといい機会だ。カポネにも話しておこう。オレの真の目的をな・・・」

 


オレはカポネに話すことにした。カポネが仲間に加わってくれたら心強い。良きリーダーになれる素質があるとオレは思っている。

 


「・・・というのがオレの目的だ。すぐに答えを出せとは言わない。最悪カポネの父とも争うことになるかもしれない。まっ・・・考えておいてくれ」

 


「・・・なんすかそれ・・・いいじゃないですかっ!!同族のため人類のため世界を変えるんすねっ!オレはついていくっすよ。元々オレもこの世界に対して疑問だらけだったっす。ははっ!まるでゲームの世界の主人公にでもなったようっすね!

 


オレはオレが惚れたアニキについていくっす!うちのもんもきっとついてきてくれるっす!親父にも昔から言われてたっすよ。自分の信じるものを信じて突き進めと・・・。ジャンヌにも頃合いを見て話してみるっす」

 


「カポネ・・・お前いいやつだな・・・オレは最悪オレと嫁達だけでやるつもりだったんだ。心強い味方が増えてオレは感動しているぞ」

 


「アニキぃぃ!」

 


涙を流しながら抱き合う男達がいた。よくわからないが意気投合したらしい。カポネもまたこの不平等な世界に対してずっと疑問を持っていたのだった。

 


「オレはゲームの主人公って柄ではない。オレはあくまでどこにでもいる一般人に過ぎないし、ただのひとりの人間でいい。

 


でもゲームならそこから覆すのが醍醐味だろう?まっ・・・それは前やってた◯◯ってゲームの話だけどな」

 


「アニキもやってたんすか!?オレもやってたっす!アーサーも実はゲーマーなんすよっ!きっと話が合うと思うっす!」

 


「なに!?アサ吉もか!これはいつか熱く語り合う夜が必要かもしれないな!」

 


後に行われる熱い夜・・・これがハイロリ、アーサー、カポネの3人が3バカと呼ばれる原因となった出来事なのであった。彼らが3バカと称される未来はそう遠くない。

 


絶トム痛に告白されてからはや2ヶ月。彼女は常に熱烈な愛をオレに届けていた。毎日愛してくれた。だけど君はオレを捨てていった・・・さようなら・・・絶トム痛。オレは君と愛し合った日々を忘れない。

 


はい。ついに体が動くようになりました。それでは第2の街へと行ってみたいと思います。リュカウスゾーンにある光にオレは触れた。ボス戦はもちろんスキップした。また激戦をしてしまったら絶トムちゃんに2度目の告白をされてしまうからな。

 


・・・実はもう一度闘おうとして普通に入ったのだが、リュカウスの姿はそこにはなかった。いたのはキングウルフという狼。殺気を向けたら腹を出して服従の意を示してきた。ありがたく野獣戦隊の新たな一員としてちょうだいしようと思う。六花に手を出そうものならキッチーブルー、コッコーピンク、シャリーグリーンが黙っていないだろう。強く生きるんだようるたん・・・。

 


第2の街・・・それは大自然の中であった。転移塔ならぬ転移木が中央に存在感を示している。花で作られたような建物、木造の建物などが立ち並んでいる。規模はそれほど大きくない。

 


この街はダンジョンとかにある休憩エリアのようなものに近いかもしれない。もはや村である。しっかりした街は第1の街だけなのかもしれない。ゲームならばもっと進んでいけば新たなしっかりした街があるのかもしれないが、所詮は訓練。そしてデキウスがいじった世界に他ならない。手抜き感しか感じない。ゲーム版として出すと言うならばそこはデキウスと熱く語り合いたいと思う。

 


パレードのキャラクターも手抜きだったし変態の仕事は手抜きが多いようだな。ただあいつがわざわざいじったボスはきっと凝った作りなのだろうなと期待しよう。

 


しかし人の姿が見えない。ん・・・?ちっちゃい虫のようなものがいるな。匂いは・・・半分くらいはいい匂いだ。お姉さんの匂いがする。

 


「いらっしゃい!第2の街へようこそ」

 


お姉さんのような匂いの素が話しかけてきた。よく見てみる。

 


・・・妖精お姉さんきたぁぁぁぁ!!