闇と光 第117話 S.H.E起動

すっかり体の絶理痛もとれ、回復してしまった。絶理痛になる度にこのような夢の世界に行くことができるならもっと絶理命唱を極めたいと思う。嫁達の好みもそれぞれ違う。色んなシュチュエーションを味わうことができて絶理痛様々である。

 


デキウスにオレは駄々をこねた。復活祝いとして離れてしまう3人を思う存分愛させろと。しょうがないなぁと言って笑って1日だけ許可してくれた。オレには変態神の加護がついてるみたいだ。バトルフィールドやら知らない単語を変態は知っているみたいだが、結局わからない。今は味方ということだけは理解している。なのでとりあえずは持ちつ持たれつつの関係を維持していきたいと思う。

 


3人の弱点は完全に把握したし、オレの弱点も知られているので濃密な時間を過ごすことができた。異世界帰りのカーチャは魔法行使タイプ。そして天然物のおねだり上手。気づくとカーチャはオレに見せつけている。喜んでいただきます。

 


チャーリーとレナは使用武器オールラウンダーといったところか。サイバーテロが得意なチャーリーはデバフ好きな女王様だ。動けない相手を弄ぶのが好きらしい。オレももっとされたい。レナはイケイケのアタッカータイプ。しかし2人ともオレとの戦闘では真逆に豹変する。

 


そんなギャップにオレは理性を失うほど獣になってしまう。嫁達にも言えることだがみんな強引に激しくされるのが好きらしい。普段は優しくしているからそのギャップがいいのだそうだ。ギャップというものは宇宙ピラミッドの頂点に近い存在なのかもしれない。

 


現在は毎日の日課であるリュカウスとの戦闘中だ。オレはリュカウスから野生的なものを、リュカウスはオレから知略的なものを互いに吸収し合っていた。いかにおっさんが脳筋だったかがよくわかる。おっさんのジョブがあるとしたら間違いなくフルアタッカーだと思う。この日はいつもと違うことが起きてしまう。

 


戦闘中あるシステムが作動してしまった。

 


「・・・ハイロリどうしたのだ?」

 


「・・・すまないリュカウス緊急事態だ。オレの嫁に危機が迫っている」

 


「我も一緒に行くか?」

 


「いやたぶん別の惑星だ。はっきりとした場所もわからない。オレの体を頼む。ちょっと行ってくる」

 


通称S.H.E。システムハイロリエマージェンシー。アルファベットを並べた方が気分が上がりそうなのでそう呼んでいる。初めて発動した。大事な嫁達の誰かに命の危機が迫っている。愛情を注ぎ込んだ時にひっそりとオレは自身に報せが届くように構築していたのだ。

 

 

 

・・・君か・・・無茶をしたんだな。受け入れてもらえないと助けることはできない。でも君の近くにこれてよかった。君の声をオレはもっと聞きたい。

 


「力を抜いて楽にしろ」

 


頭の中に語りかける。今のオレに肉体はない。マナによって精神のみを飛ばしている。彼女の体に共存できなければオレはただ見ていることしかできない。オレは君とひとつになりたい。

 


・・・!

 


「そうだ。もっとリラックスしろ。すべてを委ねるんだ」

 


よしこれなら動かせる。受け入れてくれてありがとう。オレは君の中に入れて幸せだよ。愛してる。ずっとそばに行きたいと思っていた。君の体をオレにすべて委ねろ。オレは君が欲しい。

 


「これなら・・・って邪魔なんだよっ!!」

 


オレは彼女の手にあった刀を振り、迫り来る衝撃波を消し去った。戦闘中だったらしい。拾連段をやったのか。重ねる数がすべてじゃないんだよ。もっと強い思いを句に込めるんだ。ただ重ねるだけじゃ強化幅が小さくなるからね。

 


「なんだ!?何が起きたっ!?」

 


「うるせぇ黙ってろ!まずはこれを剥がすか」

 


戦闘中だった男が声を上げた。静かにしてろよ・・・今はそれどころじゃねぇ。彼女の体を優しく闇で包む。そしてそいつの背後へと転移した。強制的に命唱剥がすならばこれが1番手っ取り早い。それにしてもよかった。間に合った・・・。

 


「人のことは言えないんだけどあまり無茶はするなよハイロリさん。死ぬとこだったぞ。1回だけ死の危険が迫った時介入できるようにしておいたんだ。まっ君が受け入れてくれなければできなかったんだけどな。気持ちが届いてくれて本当によかったよ」

 


彼女の体を借りて言葉を発する。そう彼女はオレが恋い焦がれている女の子。一目見たときから心を奪われた・・・自身の理想そのもの・・・ハイロリさんだった。

 


うん。いい匂い。体を借りている分匂いが嗅覚にダイレクトアタックしてくる。正直に言ってしまうと嫁達と比べても、ずば抜けていい匂いをしている。他の嫁達もずば抜けたいい匂いをしているが、ハイロリさんはそれ以上の高次元の匂いだ。ハイロリさんの思いも伝わってくる・・・離れたくないなんて幸せなことを言ってくれている。君の愛も感じるよ。ありがとう。

 


「あぁそうだよ。君のことを愛してる。相変わらずいい匂いだな。髪ちょっと伸びたんだな。これも似合ってる。うん・・・サラサラの髪だな。ずっと撫でたくなる。こっちも柔らかくてずっと触っていたい」

 


ハイロリさんの髪はあの時より伸びていた。少し長くなったハイロリヘアーも素晴らしい。触ると手触りもいい。ずっと撫でたくなる頭の形をしている。手が吸い寄せられるようにフィットしていくのがわかる。せっかくなのでお山も触ってみる。理想のサイズであるAか。感触も素晴らしい。頂きにあるものも手に馴染む。ここが好きなようだな。反応が可愛い。ん?サイズを気にしているのか・・・。

 


「何言ってるんだ?理想のサイズだよ。謝ることなんてない。オレ大きいの好きじゃないんだよ」

 


そんな心配をするなんて可愛いな。でもこれがオレの本心だ。君という存在がオレの理想そのものなんだ。せっかくなのでハイロリさんにもプロポーズしておきたい。

 


「ふっ・・・。何があっても嫌いにはならないよ。オレはハイロリさんが欲しい。必ず迎えに行くから待っててくれないか?今16人ほど彼女がいる。結婚を申し込んだんだが君がいないと誰もイエスって言ってくれないんだ。全員揃った時にみんな一緒に結婚するんだってさ。大切にする。その時がきたらオレと結婚してくれないか?」

 


ハイロリさんの中で心がひとつになっている。先ほどから愛をずっと届けているので愛しているという言葉はもはやいらない。嫁が何人いようともオレは今伝えている愛以上の愛を注ぐと誓うよ。