闇と光 第128話 パーティー初結成

「だぁぁぁぁっ!!クソゲー過ぎんだろっ!?」

 


嫁達がびっくりしている。基本的にオレは大声を上げたりしない。はい。ただいマイルーム。昼食の準備が完了していた。どうやらオレを待っていてくれたようだ。少しばかり遅刻をしてしまったらしい。申し訳ない。変態論議がいけなかったんだと思われる。あれは盛り上がったなぁ。デキウスもなかなかわかっている。ただあいつは二刀流である。いつか斬られないように気をつけたいと思う。

 


そしてオレは絶理痛と交際することになり、嫁達に介護されているところだ。まぁ交際期間は短くなってはきたんだけどな。絶子ちゃんに弄ばれていると自覚はしている。

 


オレの影達が共鳴してオレを回復させてくれている。最近寡黙なのには理由がある。念話ではがっつりこの子達は話している。放送禁止用語ばかり飛び交っているので自主規制しているようだ。変態神の加護を受けた闇の影らしく、セクシーから変態へと進化を遂げていた。妖様って呼び始めたあたりからなんだよな。でも彼女達はオレ好みに成長していたし、変態は大好きだ。可愛いくノ一達を大切に愛でてあげることにしよう。

 


「第2エリア行ったんでしょ?どうだったの?」

 


「第2エリアって軍団戦だったよねぇ。まぁボクはスキップして進んじゃったんだけどね。日本支部は精鋭だけで突破してたよぉ」

 


「ハイロリ様の荒ぶっているとこ・・・いいっ!」

 


「うふふ。ご主人様は色んな魅力がありますからねぇ」

 


「みんなにも色んな魅力があるよ。もうすべての動作がオレを惚れさせてしまう・・・。

 


さて第2エリアのボスエリアには入ってきた。妖精の国を制圧すればクリアだ。そしてあれは軍団といっていいレベルじゃない・・・国でもない・・・。オレは星と闘っている」

 


嫁達が不思議そうな顔をしているのでオレは先ほどまでの出来事をすべて話した。

 


「うわぁ・・・クソゲーだわ・・・」

 


「ダーリンの時だけ難易度上がり過ぎてない?でもダーリンいじめられるのも好きだからねぇ」

 


「ハイロリ様の手助けをしてあげたいけど・・・私達住人はボスエリアというのに入れないしなぁ・・・」

 


「ご主人様。うちにも軍団はありますよっ!

 


おいでなさいっ!ピヨ吉!ピヨ子!サリー!」

 


「「「マスターご命令をっ!!」」」

 


唯さんちゃっかりと暴露するのはやめていただきたい。嫁達となら攻守どちらも万能なのは確かなのだけれども・・・。

 


アリスとアヤネはボスエリアには入れないのだ。来訪者でなければ参加できない。そもそもあんな命の危険しかないようなところに嫁達を連れて行く気にはなれない。

 


「キッチー、コッコー、シャリー・・・お前らが唯一の希望だ。オレを助けてもらえるか?」

 


「あるじっ!任せろ!あるじのためなら頑張る」

 


「あるじ様のためならどんどん敵を薙ぎ倒してしまいますわ」

 


「あるじと初デート・・・楽しみなのですっ!」

 


オレは絶理痛にうなされながらも3匹と抱き締め合っていた。冷んやりともふもふのコンボ・・・これは爆睡できるわな。六花が羨ましいと思ってしまった。

 


「パパぁ!ダメぇぇぇ!キッチー、コッコー、シャリーとっちゃめっ!」

 


六花に怒られた・・・影達頼んだぜ。オレのくノ一って凄いんだ。オレが言う前にして欲しいことしてくれるんだよね。獣魔達の教育のおかげでもはや人語も話せる六花ちゃん・・・我が子は天才かもしれない。

 


「ママ達しゅきぃ〜〜」

 


どうやら六花ちゃんはくノ一の魔の手に落ちたようだ。後顧の憂いはなくなったな。よしでは行くとしよう。

 


絶理痛が消えてからな・・・。

 


フーカによってオレは嫁達の修行現場に連れて行かれている。覗くくらいなら見に来いと言われてしまった。覗きとはバレないからいいのであってバレたら意味がない。無防備な姿がいいのに・・・男のロマンとはそういうものなのだよ。でもせっかくなので堂々と嫁達を堪能しようと思う。

 


嫁達はかなり強くなっていた。そしてやはり近場の方がいい。匂いが濃厚である。オレは闘ってもいないのに抜刀させられていた。強制的に戦闘状態にさせるとは嫁ながら天晴だ。

 


それに4英雄・・・強い。本気を出したらどの程度なんだろうな。間違いなく絶理使えるんだろう。見ているだけでも勉強になる。いつもと違う武器。それぞれの闘い方があって面白い。

 


「ハイロリよ。随分とおとなしいな。悪いものでも食べたのか?」

 


「・・・減らず口は相変わらずだな悪爺。絶理命唱に慣れてなくて動けないんだよ」

 


「ふふ・・・またハイロリを好きにできる」

 


「「「「お姉ちゃん(様)!?」」」」

 


「にししっ。ちゃんとまた教えてあげるからね?そんなにいじめないでおくれよ」

 


「「「「はいっ!」」」」

 


あれ?嫁達の反応がおかしい。教えるってなに?なんでみんなの対応が変わっているの?あれ?これワンチャンいけたりする?フーカもいつかオレの嫁に加えてやる。だってとられたくないもん。

 


ハイロリは未だに嫁達に覗かれていることを知らない。男というものは哀れな生き物である。

 


「しかしハイロリ。もっと絶理命唱を使え。体にがんがん慣らせば痛みなどなくなる。そこの泣き虫も昔はその痛みで涙を流していたくらいなんだぞ」

 


「あははっ。アデルソンって昔から泣くんだよね。子供の頃なんて転んだだけで泣いてたし」

 


リヒテル・・・ラルカス・・・ハイロリの前でそれを言うなっ!!」

 


「ぁん?やんのかアデルソン!?また泣かせてやろうか?」

 


「・・・やめておく。六花ちゃんあとでお爺ちゃんを癒して・・・」

 


相変わらずだな悪爺。美貴の悪爺を見る目が酷い。一応君の師匠だぞ?・・・おっさん?あぁたまにオレもあんな目で見てたわ。

 


「で?次はどのような相手なのだ。デキウス様のことだから厳しい相手を置いてそうだがな・・・」

 


悪爺が心配してくれたのでオレは相談することにした。悪人面だけどなかなかいい奴なんだよな。ムカつくけど。

 


「・・・オレも行きてぇ・・・」

 


「諦めろリヒテルよ・・・来訪者しか入れないと言ってただろう。ゴブリンか・・・あの妖精達は中々手強いからなぁ。まぁデキウス様はなんだかんだ考えておられる。きっと無駄な体験にはならんだろうな。

 


・・・美貴よ。お前も行ってこい。実戦を経験した方がもっと早く成長できる。ハイロリが動けない間はもちろんここで修行になるがな」

 


「えっ!?いいのっ!?お爺ちゃん大好き〜〜」

 


「気持ち悪いからやめろっ!!ハイロリっ!」

 


悪爺助かる。ほんと助かる。味方は多い方がよい・・・美貴との初旅行先はゴブリン星になったな。やっぱり旅行の夜は盛り上がるよなぁ・・・今から楽しみだぜ。

 


「いいなぁ・・・ボクもダーリンと一緒に行きたかったなぁ」

 


「ふふ。焦らなくてもいいんだよ。唯君は第3エリアから行ってくればいいさ。でもちゃんとここでの修行もするんだよ」

 


「うんっ!ボク頑張ります!師匠ありがとう」

 


今はまともな師弟に見える・・・でも戦闘が始まるとこれは幻になるんだよな。

 


「むぅ・・・2人ともずるいです。私もご主人様と・・・」

 


「私もハイロリ様と一緒に闘いたいなぁ・・・」

 


「やれやれ・・・リヒテルちょっといいかい?」

 


フーカが叔父様と内緒話をしている。アリスとアヤネが呼ばれている。

 


「「頑張りますっ!!」」

 


元気で可愛い返事ですね。今日は嫁達に生徒役になってもらおう。そうしよう。

 


アリスとアヤネも実戦で訓練をするようだった。何をするかは教えてもらえなかった。後のお楽しみと言っていた。焦らされるのも好きなので楽しみに待っておきますね。

 


共に闘う仲間がいるというのはこうも心強いものか。人生初のパーティーを結成することになった。美貴と愉快な動物達とオレは攻略していこうと思う。

 


・・・ん?よく考えるとさ・・・ナビと獣魔達。結局ソロじゃんっ!!ぼっちパーティーが結成されてしまったようだ。

 


ハイロリはソロパーティーを結成した。