闇と光 第130話 円卓会議

オレは今円卓の騎士のギルドホームにお邪魔している。そして円卓のテーブルに座っている。美貴、ピヨ吉、ピヨ子、サリー。さらにアサ吉、香織っち、カポネ、ジャンヌ・・・よく見えないがおにえさんも座っているらしい。

 


「さぁそれでは始めようか・・・第31回ゴブリン星対策会議の開始を宣言する」

 


そう・・・オレ達は攻略法を模索する会議をしている。雰囲気が大事なので円卓会議という響き欲しさにアサ吉から借りている。なぜ借りれるようになったかというと・・・。

 


「やっぱりあれっすよ。アニキがばさばさ薙ぎ倒すしかないっす!」

 


「ゴブリン星陸軍総督ゴブ備!!このハイロリが討ち取ったりぃぃぃ!!」

 


「お前こそゴブリン星に轟く星下無双の豪傑だっ!!」

 


「やっぱりアサ吉って偉そうなキャラが似合うよなぁ」

 


「そうっすね!声がめっちゃくちゃ合ってるっす」

 


「全軍っ!!敵本陣に向かって突撃せよっ!!」

 


「「おおおおおっ!!!」」

 


「「「3バカ!!真面目にやって!!」」」

 


あの後、絶望に包まれたナビと愉快な動物達は第1回ゴブリン星対策会議を開いていた。ついでにオレは絶トムちゃんに軽めの告白をされていた。特に進展が起きるわけでもなく、気分転換に散歩に行った時である。偶然ダブルデートをしていたアサ吉、カポネと遭遇した。

 


第2エリアはどうだと聞かれたのでクソゲーだと即答。カポネが喰いついてきて説明する流れとなった。要はトリプルデートに発展したわけだ。来訪者達がそんなオレ達を憧れているかのような目で見ていた気がするのはなぜなのだろうか。お姉さん達は黄色い悲鳴を上げながら勝手に盛り上がっていたし・・・ホントになんなんだろう。

 


話している最中のことだ。アサ吉もがっつり喰いついてきたのである。ゴブリンの名前を言った時が一番盛り上がったなぁ。うんうん。

 


結局何も解決策が出るわけでもなくその時は解散した。しかしオレはある密約を交わしていたのだ。みんなを絶界の頂に連れて行き、寝静まったのを見計らって転移塔の上にオレは行った。

 


そこに待っていたのはアサ吉、カポネの両名。深夜の密会が始まった。実は話が盛り上がり過ぎて3人の女達により強制的に解散させられる羽目になってしまったのだ。オレ達は念話で約束を交わしていた。熱い夜が始まりそうだぜ・・・。

 


オレ達3人は時を忘れるほど夢中になって語り合った。アサ吉はなかなかわかっている。いい奴じゃないか。途中あたりが明るくなったり暗くなったりしていた気がしたがそんなこと気にもならなかった。ここに来る前に悪爺の貯蔵庫から飲食物をたくさん奪ってきたので気分は宴会である。

 


しかしオレ達の宴会はまたしても強制的に終わりを迎えることになる。あの時はオレ達の時が止まったかと思ってしまったぜ・・・。3人の女達が空中大宴会場に突撃してきたのだ。仮にもオレ達3人はそこそこマナを扱える。結構本気で隠蔽してたんだけどな・・・。

 


特権階級2人と神の如き直感力を持つ1人の力を前にオレ達は敗北した。強者に抗う術など持ち合わせていなかったのだ。オレ達は地上へと引きずり降ろされた。半日ほど正座させられ、それぞれ説教されてしまった。オレだけ他の嫁が増えていたのはなぜなのかと問いたい。マナで足を保護していたので足が痺れることはなかった。マナちゃん最強だぜっ!

 


なんでもオレ達は3日3晩ぶっ通しで語り合ってしまったらしい。ミニイベント空中立ちション飛ばし大会も盛り上がったんだよなぁ。円卓の騎士のギルドマスター、カポネ組のギルドマスターそしてオレが消えてしまったことにより日本支部は大騒ぎになっていたようだ。

 


嫁達はまた帰ってこないかもしれないと思い必死に捜索していたのだという・・・しかしこれが漢の付き合いというものなのだよ。わかってくれ妻達よ。そんな願いは天に届くことはなかった。

 


まったく・・・オレはもう2度と離れないのになぁ。最近オレはようやく気づいた。嫁達がオレのことを、オレが嫁達を愛している気持ちと同じくらい愛してくれていることに。怒ってはいるがきっとすぐに許してくれるはずだ。嫁達もオレに対しては激甘である。

 


今までは自分が愛してあげるだけだった。でも初めて同様の愛を注がれていると感じている。嫁達はオレの前だと好きという気持ちがわかるくらい基本的に頬が緩んでいる。相思相愛ってすごく満たされる。恥ずかしいから嫁達には言ってない。だから盛大に自由に甘えようと思っている。

 


大衆の面前に晒されながらオレ達は怒られ続けた。途中おにえさんの幻が見えた気がした。いつのまにかオレ達の周りはロープに囲まれ、あたりには人だかりができていた。お姉さん達が多かったのはなぜなのだろうか。こんな時でなければ堪能できたというのに・・・堪能しようとすると嫁達に怒られる。オレの隠蔽を突破するとはさすが嫁達だ。

 


この日からオレ達の呼び名は増えた。3バカ・・・そう呼ばれるようになってしまった。男はバカでなんぼだぜと勢いで開き直ってしまったのが悪かったかもしれない。アサ吉ともすっかり仲良くなってしまった。これが男の友情というものなんだな。うんうん。

 


「カポネったら楽しそうね。私といる時より楽しそうにしてる気がするわね。うふふ・・・そんなにお仕置きされたいのかしら」

 


「・・・ホント何したいんですか!?あなた達は!?対策会議なんでしょ!?ねぇ先輩!?」

 


「男って単純・・・バカって伝染するのね・・・そうか!慶太の影響力が凄いのねっ!」

 


「え・・・?先輩?」

 


「男の子とバカやってるなんて前までの慶太からは想像できないわね・・・友達が出来て良かったわね慶太・・・そんなバカをやってる慶太も私は好きだよ・・・」

 


「いや先輩・・・なに涙こぼしながら言ってんですかっ!?彼の毒にあなたが犯されてますからねっ!?1番彼色に染まりまくってますからね!?そして惚気ないでくださいっ!!」

 


「あらん・・・いいじゃないの。男の子はねいつまでも少年の心を持ってるのよ。だから優しく包んであげるのよ」

 


「リ、リリアンさん・・・だってぇ!いつも対策なんて考えてないじゃないですか!?この前だって・・・」

 


「うふふっ。楽しそうだからいいじゃないの。好きにさせてあげなさい。NO3を捕まえておいて他のガール達に文句言われちゃうわよ。そ・れ・に・・・そんなことしてたらあたしが奪って彼達を優しく包み込んじゃうわよ?」

 


NO3・・・日本支部男ランキングトップ3の略称である。彼らは女性を対象に密かに行われていたランキングの上位を独占している。そんな男達の背中に謎の悪寒が迫っていた。武闘派ギルドゲイボルグのギルドマスターリリアン。新たな脅威がハイロリ達の背中に迫っているのだった・・・?

 


「余は大魔王サリーである。頭が高いっ!!余にひれ伏せぇぇぇ!」

 


「我こそはピヨ吉!ハイロリ軍2大将軍である!覚悟しろ大魔王!」

 


「我こそはピヨ子!ハイロリ軍2大将軍である!我が翼の生贄となれぇぇぇ!!」

 


3匹もまた順調にあるじの色に染まってきていた。